中性子線によって誘導されたDNA鎖切断に対する間接作用の評価
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- ジャムスランジャヴ エルデントクトホ
- 東海大・工 (株)アトックス
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- 加藤 祥成
- 東海大・工
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- 吉田 茂生
- 東海大・工
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- 伊藤 敦
- 東海大・工
書誌事項
- タイトル別名
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- Evaluation of indirect action in the neutron induced DNA strand breaks in plasmid DNA
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抄録
緒言:中性子は、X線などにくらべて生物作用が大きいという特徴がある。これは放射線荷重係数が、エネルギーにもよるが5-20というところに示されている。この特徴を利用して、速中性子は過去単独でがん治療に試みられ、遅中性子はホウ素化合物存在下でホウ素中性子捕捉療法(BNCT)にも利用されている。本研究ではこのようなエネルギーによって異なる中性子の生物作用のメカニズム、及びBNCTのメカニズムを調べるために、DNA鎖切断を指標にラジカルが関与する間接作用の寄与を求めることを目的とした。 実験:東大の弥生炉からの高速中性子(1~10MeV)及びアクリルファントムで低エネルギー化した中性子をpBR322プラスミドDNAに水溶液状態で照射した。対照実験として、58kVpのX線を用いた。通常閉環構造のプラスミドは、1本鎖切断(ssb)によって開環構造となる。さらに開環構造の切断位置の向かいの鎖に切断が起こる、あるいは、閉環構造に2本鎖切断(dsb)が起こると直鎖構造へと変化する。これら3つの構造は、アガロースゲル電気泳動法により分離後、DNAに結合する蛍光色素臭化エチジウムで処理し、紫外線を照射することによって可視化した。 結果・考察:間接作用の主因であるOHラジカルを捕捉するDMSOをDNA水溶液に添加し、炉心中心の高速中性子で照射する実験を行った。閉環構造は、線量とともに減少したが、その減少は、DMSOの濃度依存的に防護されることがわかった。防護率の濃度依存性のデータから、濃度無限大での防護率を求めると、間接作用の寄与は約67%となり、これはX線の場合とほぼ同じであった。次に人体を模擬したファントム内の各部分にDNAを設置し、速中性子を通過させ、照射した。間接作用の割合のファントム内位置依存性についてはあまり大きいな変化がないものの熱中性子束分布と平行するように見えた。ホウ酸を混合した実験では、中性子のみの場合より10B濃度依存的にssb、dsbともに増加し、dsb/ssb比も上昇した。また、これらの鎖切断が最も起こるファントム内の深さでは中性子線束も最大となった。この結果から次の二つの結論を得た。 1)中性子での間接作用の割合に関して、炉心内での高速中性子はファントムで熱化した中性子の場合よりやや小さいものの、いずれもX線と顕著な差は見られなかった。RBEの違いは、直接作用、間接作用の割合の違いから単純には説明できないと考えられる。 2)ホウ酸添加によるDNA鎖切断はdsbの割合を増大させた。この増加は中性子スペクトル分布から熱中性子によるものであることがわかった。
収録刊行物
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- 日本放射線影響学会大会講演要旨集
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日本放射線影響学会大会講演要旨集 2011 (0), 189-189, 2011
一般社団法人 日本放射線影響学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680617296768
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- NII論文ID
- 130007000308
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可