ヒトMPG相互作用タンパクのMMSによる動態変化

DOI
  • 山本 瑞希
    大阪府立大学生命環境科学研究科獣医放射線学教室
  • 橋平 奈穂子
    大阪府立大学生命環境科学研究科獣医放射線学教室
  • 山本 亮平
    大阪府立大学生命環境科学研究科獣医放射線学教室
  • 中嶋 秀満
    大阪府立大学生命環境科学研究科応用薬理学教室
  • 竹中 重雄
    大阪府立大学生命環境科学研究科細胞分子生物学教室
  • 松山 聡
    大阪府立大学生命環境科学研究科獣医放射線学教室
  • 久保 喜平
    大阪府立大学生命環境科学研究科獣医放射線学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Effec of MMS on protein interaction with human MPG

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抄録

哺乳類細胞の核内DNAは様々な要因により、恒常的に鎖切断や塩基損傷といった障害を受けている。多くの塩基損傷は塩基除去修復(base excision repair; BER)によって修復される。BERを開始するDNA glycosylaseは損傷塩基を除去する。human N-methylpurine DNA glycosylase(hMPG)は、アルキル化や脱アミノ化で生じる様々な損傷プリン塩基を除去するglycosylaseであり、単独でもDNA上を移動して損傷塩基を見つけ出すことが報告されている。しかし、細胞あたりのhMPG存在量は2 x 105個と大変少なく、1日にヒト細胞中に生じる損傷塩基数は、ゲノム(~1 x 1010ヌクレオチド)あたり1 x 104個程度と言われており、それら稀な損傷をhMPGが認識するには、非常に効率的な探査能が必要であると考えられる。また、hMPGは他のBERタンパクや転写制御因子など、様々なタンパクと相互作用することが報告されているが、損傷塩基探査にどのようなタンパクが関与しているかは未だ明らかではない。そこで本研究では、hMPGと相互作用する新たなタンパクを同定するために、大腸菌で発現させたGST融合hMPGおよびMMS処理HeLa細胞核抽出物を用いてpull down assayを行った。その結果、XRCC1、MBD1、PCNAとの相互作用がみられ、XRCC1、MBD1との結合は、MMS処理によってpull down画分量がそれぞれ15.9倍および2.1倍増加した。次に、in vivoにおける相互作用を検討するために、GST融合hMPGを発現するHeLa細胞を作成し、Western blottingによってGST融合hMPGの発現を確認した。現在、GST融合hMPGと相互作用するタンパクがMMS処理によって受ける影響を、pull down assayを用いて検討中である。

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