NBS1部分的抑制が相同組換えに与える影響

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  • Efficient of partial inhibition of efficiency of homologous recombination

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抄録

放射線はDNA二重鎖切断(DSBs)を効率的に誘発する。DSBsを修復する経路には相同組換え(HR)および非相同末端結合(NHEJ)の少なくとも二つの経路がある。HRは修復の鋳型として姉妹染色分体を必要とするため、細胞周期のS期後半からG2にかけて働くと考えられる。MRN(MRE11/RAD50/NBS1)複合体の構成因子であるNBS1は、HR経路において中心的な役割を担う。今回、我々は、NBS1機能の部分的抑制がHRにどのような影響を与えるかを調べた。変異型NBS1を作成し、HeLaまたはMRC5細胞へ導入し、細胞内での変異NBS1の発現が放射線誘発フォーカス形成の部分的抑制を起こし、HR頻度を有意に減少させることを見出した。さらに、変異型NBS1を発現している細胞の放射線感受性について調べたところ、野生型NBS1を発現している細胞と比べてX線に対してわずかに感受性であったが、分割照射を行うと放射線感受性の差は顕著になった。これらの結果は、NBS1機能の部分的抑制がHR経路において、内在性NBS1に対するドミナントネガティブな効果を示し、亜致死損傷からの回復を抑制することを示唆するものである。

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