性差医療

書誌事項

タイトル別名
  • Gender-specific Medicine

説明

性差医療(Gender_-_specific Medicine)とは、 男女比が圧倒的にどちらかに傾いている病態、発症率はほぼ同じでも、男女間で臨床的に差を見るもの、いまだ生理的、生物学的解明が男性または女性で遅れている病態、社会的な男女の地位と健康の関連などに関する研究をすすめ、その結果を疾病の診断、治療法、予防措置へ反映することを目的とした医療改革である。女性のほうが生涯における有病率が高いといわれながら、男性の健康寿命は女性に比し7_-_8歳低い。その理由は何かなど興味は尽きない。しかし、医療の現場における最も重要な課題は、検査・診断・治療における薬物と反応性における性差である。1998年に抗アレルギー薬Seldaneが市場から撤退した。女性患者において致死的不整脈torsades de pointesを誘発するためである。2002年にNew Engl J Medに掲載されたグラクソ・スミスクライン社が開発したヘルペスウイルス(HSV)に対するワクチンは、第3相臨床試験において、女性の70%に有効であった一方で、男性にはほとんど効果がなかった。1994年から2000年にかけてFDAに申請された300の薬剤のうち、半数以上で薬物動態における性差が検討されていたが、そのうちの8割で性差は認められず、2割では性差が明らかであった。薬物動態において性差をもたらす機序は何か。薬物動態における性差はどのような差を薬物の安全性と有効性に影響を与えるか。これらは興味ある課題である。その一方で、生物化学ですべてを説明することができるかといえば、答えは否である。女性は男性に比し、サプリメントを好んで常用することが多いのは古今東西変わらない。このような習慣が薬物使用時の有効性や副作用発現に関与することも考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680633886848
  • NII論文ID
    130007002716
  • DOI
    10.14869/toxp.33.0.8.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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