Clinicopathological Examination in Micro Mini Pigs

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  • マイクロミニピッグの臨床検査値の検討

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【目的】動物福祉の観点から,特にヨーロッパでは実験動物としてイヌや霊長類の利用が容易ではないため,ミニブタが広く使用されてきている.しかし,実験に使用するには大きさや取り扱いの難しさなどの課題がある.より使いやすい実験動物の改良が希求されている中,成獣でも10 kgに満たない「マイクロミニピッグ」が開発された.マイクロミニピッグは,従来のミニブタに比べ小型で,扱いやすく,イヌの飼育施設を改良して飼育することができる.今回われわれは,マイクロミニピッグを毒性試験で使用するにあたり臨床検査値の背景データを得るため,血液学的検査,凝固系検査,血液生化学的検査及び尿検査を実施した. 【方法】6-8ヶ月齢の雌雄マイクロミニピッグを使用した.採血は前大静脈洞より行った.血液検査用はEDTA加血液,凝固検査用はクエン酸加血漿,血液生化学検査用は血清及びヘパリン加血漿を用いた.また,新鮮尿(尿定性,尿沈渣)及び24時間蓄尿(尿量,電解質,比重)の一般尿検査を実施した. 【結果】検査値取得のための血液及び尿試料は,イヌと同様の操作で採取することができた.得られた検査データをミニブタと比較した.血液検査(XT-2000iV)ではブタモードにおいて,目視法との相関を得ることができた.血小板数測定では,血小板凝集塊,破砕赤血球もしくは小型赤血球の混入が示唆された.凝固系検査(CA-1500)ではAPTTがミニブタと異なる傾向を示した.血液生化学検査(JCA-BM6010)では再現性のあるデータの取得が可能であったが,T.Bilでは低値傾向が見られた. 尿検査では,尿沈渣にリン酸アンモニウムマグネシウム結晶が比較的多く観察された.他の尿検査値ではミニブタと大きな違いはみられなかった. 以上より,マイクロミニピッグの臨床検査は現有の検査機器を用いての測定が可能であった.マイクロミニピッグを毒性試験に利用するために,今後,例数を増やして検査データを収集し,詳細に検討する予定である.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680634327552
  • NII Article ID
    130007002931
  • DOI
    10.14869/toxp.38.0.20109.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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