Toxicological effects of glyphosate formulation in Japanese medaka (Oryzias latipes)

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  • グリホサート製剤がヒメダカにおよぼす影響

Description

【目的】グリホサートは,グリシンとリン酸の誘導体であり,農業および園芸用などで使用される非選択型のアミノ酸系除草剤である。 グリホサートを含む除草剤製品(グリホサート製剤)のほとんどは,グリホサートと不活性成分である界面活性剤の混合の状態で販売さ れている。グリホサート製剤は,グリホサートだけよりも界面活性剤と混合した状態になることで非常に毒性が強くなると言われてい るが,それら毒性を遺伝子レベルまで詳細に調べた報告は少なく,複合影響としての安全性が懸念される。そこで本研究では,ヒメダ カ(Oryzias latipes)の成魚,仔魚および胚を用いて,グリホサートの毒性と,グリホサート製剤の毒性の比較を行なった。<BR> 【方法】グリホサート製剤散布時の目安濃度を参考に10~320mg/Lの範囲で,ヒメダカの成魚,仔魚および胚にグリホサートとグリホ サート製剤を曝露した。なお,成魚および仔魚の曝露時間は96時間と設定し,急性毒性試験を実施した。また,胚は曝露期間を14日 間と設定し,毎日観察をおこない胚の発生への影響を調査した。一方,曝露後の成魚および胚からRNA抽出後,DNAマイクロアレイ を用いて遺伝子発現変動を調べた。<BR> 【結果および考察】急性毒性影響はグリホサート曝露において,今回の設定濃度内では96時間で死亡が見られなかったが,グリホサー ト製剤では96時間曝露のLC50が59.1mg/Lであった。以上の結果より,グリホサートとグリホサート製剤において明らかな毒性の違 いがあり,グリホサートが界面活性剤と混合状態になることによって毒性が強くなることが確認できた。また,胚の曝露試験において, グリホサート製剤では卵殻が溶解し,発生に影響をおよぼすことが確認できた。なお,本学会では,遺伝子発現解析の結果についても 併せて報告する。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680635143808
  • NII Article ID
    130007003499
  • DOI
    10.14869/toxp.37.0.391.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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