動物用血液分析装置XT-2000iVを用いたミニブタ血液検査の検討

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Usability Assessment and Improvement of a Hematology Analyzer (XT-2000iV) for Hematological Examination in Miniature pigs

抄録

【目的】ブタは古くからヒトと類似性の高い動物として知られており、近年、医薬品の開発における安全性・薬効試験においてその利用が検討されるようになり、実験動物としての評価が高まりつつある。今回、我々は、動物用血液分析装置XT-2000iVを用いた血液分析の適用可能性を検討するために種々の性能評価ならびに改良を行ったので報告する。<BR>【方法】ミニブタの前大静脈洞から採血した抗凝固剤加血液を測定試料として、血球計数性能,白血球分類性能,網赤血球計数性能について、再現性,直線性,従来法との相関,検体経時的安定性及び測定モード間差の項目を評価した。再現性は各測定モードにおける同時再現性を評価、相関は白血球分類,網赤血球比率について目視法との相関を評価、モード間差は装置の各測定モード(クローズドモード、マニュアルモード、キャピラリモード)間の比較、経時的安定性は室温保存・冷蔵保存における採血後48時間までの安定性を評価した。希釈直線性は検体を希釈液で希釈(1~5倍)した各希釈系列の試料の評価、直線性は遠心分離法により濃縮した各血球を希釈することにより、高濃度から低濃度までの試料を作製し評価した。<BR>【結果】赤血球,白血球,血小板などの血球計数性能ならびに網赤血球計数性能については、既存の動物測定用の設定で大きな問題なく測定可能であった。白血球分類については、ミニブタ特有の分布パターンを示すことから、解析アルゴリズムのチューニングを実施した。アルゴリズムの最適化を実施することにより、目視法と良好な相関が得られた。詳細な各性能評価結果、解析アルゴリズムの最適化ならびにミニブタ血液の特徴について報告する。<BR>【結論】解析アルゴリズムを最適化することで、各検討項目ともに良好な結果を得ることができたことから、動物用血液分析装置XT-2000iVの対応動物種としてミニブタを追加することが可能であると判断される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680635433344
  • NII論文ID
    130007003668
  • DOI
    10.14869/toxp.35.0.189.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ