DexamethasoneのCrl:CD(SD)及びSlc:Wistar Hannover/Rccラットにおける毒性発現の比較検討

DOI
  • 山名 怜
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 堤 俊輔
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 若松 正樹
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 織原 由佳理
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 野口 ちひろ
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 岩崎 紘
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 桐畑 佑香
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 守田 淳哉
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 佐藤 靖
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 岩城 理進
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Comparisons of toxicity of dexamethasone between Crl:CD(SD) and Slc:Wistar Hannover/Rcc rats

抄録

【目的】がん原性試験ではSD、F344、Wistar系ラットなどの系統が使用されているが、長期飼育下での体重増加率や生存率、自然発生腫瘍の種類・頻度等に系統差があることが知られている。一方、2007年に、米国NTP(The National Toxicology Program)は、SD系ラットに比べて体重増加が緩やかであり、長期飼育でも高い生存率を示すWistar Hannover系ラットの採用を決定した。このWistar Hannover系ラットは、欧州で広く用いられており、単回投与を含め短期間の反復投与毒性試験からがん原性試験まで同一の系統で評価できることが期待できる。そこで今回、抗炎症作用を有する合成副腎皮質ホルモンのDexamethasone(DEX)をSD及びWistar Hannover系ラットに短期反復投与し、主に一般毒性学的検索から系統差について検討した。<BR> 【方法】0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁したDEXを、雄性のCrl:CD(SD)及びSlc:Wistar Hannover/Rccラット(6週齢)に、0.3、1、3 mg/kgを14日間反復経口投与した。一般毒性試験で汎用される項目について評価し、系統差について検討した。<BR> 【結果および考察】SDラットの3 mg/kg群で死亡が認められた。両系統共に0.3 mg/kgから体重増加抑制及び減少が認められ、胸腺・副腎・腸間膜リンパ節の小型化、好中球の増加、胃の暗赤色領域等の薬理作用による免疫系及び消化器系への影響の他、腎臓及び肝臓への影響が認められた。一般状態の悪化を含む、いくつかのパラメータにおいてSDラットで強い影響が認められたが、特に腎臓への影響はHannoverよりSDラットで強く認められ、副腎皮質ホルモンへの感受性に差異がある可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680635902976
  • NII論文ID
    130007004045
  • DOI
    10.14869/toxp.36.0.4168.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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