北日本産ヌメリガサ科菌類に関する研究 2. アカヤマタケ属の2新種およびヌメリガサ属の1新産種について
書誌事項
- タイトル別名
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- Hygrophoraceae of northern Japan 2. Two new species of <I>Hygrocybe</I> and a new record of <I>Hygrophorus</I>
抄録
青森県内の草地および林内で採集された, ヌメリガサ科アカヤマタケ属(Hygrocybe)の2新種ならびに同科ヌメリガサ属(Hygrophorus)の1新産種について報告する.<BR> 1)Hygrocybe variicolor (sp. nov., nom. prov.)-ミドリヤマタケ(新種,新称):子実体は草地に少数群生する.傘は丸山形,初め濃緑色,のち退色し淡黄色となり,ときに淡紅色を帯びる.湿時多少粘性をもつが粘液で被われることはない.胞子は楕円形で6.5-8.0×4.8-5.8μm.ひだ実質は類並列型.Coccineae節のCoccineae亜節に所属し,傘が初め濃緑色を帯び,退色して淡黄色あるいは淡紅色となる点を著しい特徴とする.外観的に同属のワカクサタケH. psittacinaに類似するが,同種では傘および柄が共に粘液で被われる.<BR> 2)Hygrocybe biforme (sp. nov., nom. prov.)-ムツノササクレキヤマタケ(新種,新称):子実体はスギ植林地内の草地に少数束生する.傘の表面は黄土色で黒褐色の細鱗片に被われる.胞子および担子器は2形性を示す.胞子は楕円形~卵形,大胞子で10.5-14(-14.5)×6.5-9.5(-10.5)μm,小胞子で5-7×3.5-5μm.ひだ実質は類並列型.Coccineae節のSquamulosae亜節に所属し,傘が黄土色で黒褐色の細鱗片に被われること,胞子および担子器にそれぞれ大,小2型があることを著しい特徴とする.外観的にササクレヒメノカサH. caespitosaに類似するが,同種では担子器および胞子共に2形性を示さない.<BR> 3)Hygrophorus aureus (Arrh.) Fr.-ダイダイヌメリガサ(新産種,新称):子実体は晩秋にアカマツ林内に散生する.傘は橙黄色~橙色.傘および柄共にゼラチン質の粘液に被われる.胞子は長楕円形で7.8-10×4.3-5.2μm.本種をシモフリヌメリガサH. hypothejusの変種とする意見もあるが,同種は傘がオリーブ褐色で,胞子が多少大形であり別種とすることが妥当と考えられる.近縁なH. speciosus Peck は,傘の中央の色が橙色で周辺は黄色,カラマツ属の林と密接な関係があると言われている.
収録刊行物
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- 日本菌学会大会講演要旨集
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日本菌学会大会講演要旨集 52 (0), 72-72, 2008
日本菌学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680637090560
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- NII論文ID
- 130007004591
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可