<I>Aspergillus</I> section <I>Fumigati</I> に分類される非 <I>A. fumigatus</I> について

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on non-<I>Aspergillus fumigatus</I> species in <I>Aspergillus</I> section <I>Fumigati</I>

説明

Aspergillus section Fumigati に分類される菌は土壌中に極普通に生息し、ヒトのアスペルギルス症原因菌となる他、痙攣性カビ毒の生産菌、加熱加工食品の事故菌として報告され、我々の生活に深く関係する菌である。Section Fumigati に分類される種の出現は A. fumigatus が圧倒的に多く、他種の分離例は稀であり、種間の形態的特徴も少ないため、これら非 A. fumigatus 種の研究はsection Fumigati のテレオモルフである Neosartorya と比べ遅れていた。近年、分子生物学的手法を用いての種間の系統関係の研究が進み新たな種も報告されている。現在までのところ A. brevipes、A. duricaulis、A. fumigatiaffinis、A. fumigatus、A. fumisynnematus、A. lentulus、A. novofumigatus、A. turcosus、A. unilateralis、A. viridinutans などが報告されている。また、Neosartorya のヘテロタリック種である N. fennelliae、N. nishimurae、N. otanii、N. spathulata、N. udagawae なども同様の形態を呈する。これら多くの種の集落は A. fumigatus と異なり、分生子構造形成が少なく、分生子の色が集落の色に反映せず白色及び淡緑灰色を呈する。そのため分離培地上では Aspergillus と認識される事は少なかった。近年、これらの種の分類には分子生物学的データを重要視し、他の Aspergillus の分類で重要視される分生子の形態学的特徴や集落の色は軽視される傾向がみられ、中には標本を見ないでデータのみで種の改廃をおこなっている報告も認められる。 今回、我が国をはじめ、中国、ブラジルなどの広い地域の土壌から分離した非 fumigatusNeosartorya のヘテロタリック種を加え分子生物学的手法と形態学的手法を用い非 fumigatus を評価し、併せてこれまで A. fumigatus とされていた病原真菌研究や痙攣性カビ毒研究に用いられている重要な株の分類学的位置についても考察を加える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680637236992
  • NII論文ID
    130007004678
  • DOI
    10.11556/msj7abst.52.0.136.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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