Phenology of myxomycetes occurring on decaying wood of evergreen broad leaved tree in the warm temperature forest

DOI
  • Harakon Yuichi
    Dept. of Forest and Forest Product Sciences, Kyushu Univ.
  • Ohga Shogi
    Dept. of Forest and Forest Product Sciences, Kyushu Univ.

Bibliographic Information

Other Title
  • 暖温帯林にて広葉樹腐朽木上に発生した変形菌種の季節的変動

Abstract

変形菌類は、全世界の様々な生態系に普通にみられる生物群である. いくつかの変形菌種の子実体発生は、季節や基物の種類に嗜好性を持つとされる(Gray et. al. 1968). これまでになされた子実体形成の季節性についての研究のほとんどは, 冷温帯林(Kremieniewska 1957, Stojanowska 1980, Eliasson 1981, Stephenson 1988,1989)や熱帯林・亜熱帯林(Mainoni-Rodella et. al. 1980, Ogata 1994, Tran et. al. 2008)をフィールドとしたものである. しかし, 常緑広葉樹を主体とする暖温帯林で行われた変形菌類の生態研究はこれまでほとんど例をみない. そこで, 暖温帯林にて広葉樹腐朽木上に発生する変形菌類の示す胞子散布の生物季節性に関するデータを得るために, 九州大学福岡演習林(福岡県糟屋郡)内にある常緑樹林において3年間にわたり調査を行った. そして, 得られたデータにもとづき, 変形菌群集の季節的変動および, 発生量が顕著であったいくつかの種について季節に対する嗜好性を検討した.  季節的変動に影響する環境要因では, 低温期(冬), 高温期(夏), 温暖期(春および秋)に対応するように種群が変動することや, 出現種数の変動が最低気温ともっとも高い相関を示すことなどから, 気温が強く影響を与えていることが推測された. また, 種構成の変動については, 高温期には多様な種が一様に出現し, 低温期には特定の種が優占的に出現するものの継続しない傾向が確認された. さらに, 観察数が多い種について季節性を検討した結果, 10月を区切りとして発生の動向が異なる傾向が見いだされた. これらの結果から, 暖温帯林における変形菌類の子実体形成における季節性の特徴について考察した。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680637477888
  • NII Article ID
    130007004751
  • DOI
    10.11556/msj7abst.53.0.74.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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