冬のサッシ窓の結露とカビ汚染
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- 濱田 信夫
- 大阪市立環境科学研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Condensation and fungal contamination on sash-window in winter
説明
これまで、冬の結露がカビ汚染の原因になっていることについてはよく知られているが、その関係の詳細については明らかになっていない。結露状況が確認でき、サンプル採集が容易なサッシ窓についてカビ汚染の実態調査を行い、冬のカビ汚染に影響を及ぼす様々な要因の解明を試みた。夏と冬に大阪市及びその周辺の約100世帯の一般住宅で、浴室以外の、居間や子供部屋などのサッシ窓について、ビードなどいくつかの部分のふき取り調査を行った。<BR> 窓サッシ内側の下部ビードがカビ汚染は最も多く、レールがそれに続いた。一方、垂直のガラスやサッシの表面は少なかった。水分が溜まる部分にカビ汚染が多いことがわかった。下部ビードの平均カビ数は309.8/cm2、1,000/cm2以上の場合は、全体の約40%だった。なお、ビード部分の汚れはほぼカビの菌体によることがわかった。また、冬の場合は、夏の場合に比して、平均カビ数は約7倍だった。冬のカビ汚染の多い窓ほど夏のカビ汚染も多く、夏のカビ汚染は冬のカビ汚染が残っていることが示唆された。サッシ窓で見られるカビの種類はごく一般的で、暗色のCladosporiumとAureobasidiumが優占していた。その他、生長の遅い暗色酵母がしばしば見られた。平均カビ数は、ガラス面の結露頻度が高いほど多かった。ほとんど毎日結露する窓の平均カビ数は、ほとんど結露しない窓の約37倍だった。部屋ごとのカビ数を比較すると、居間や台所に比して、寝室は2倍以上多かった。<BR> 対策として、窓開けや乾拭きをする場合には顕著な抑制効果が見られ、毎日行った方が行わなかった場合より、カビ数が有意に少ないことがわかった。その他、ペアガラスやプラスティックサッシの有効性も確認された。
収録刊行物
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- 日本菌学会大会講演要旨集
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日本菌学会大会講演要旨集 50 (0), 76-76, 2006
日本菌学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680639636480
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- NII論文ID
- 130007005256
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可