理学療法士養成校における臨牀実習の役割について

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  • 伊藤 三幸
    学校法人協栄学園 伊勢志摩リハビリテーション専門学校 理学療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • 見学実習のあり方

抄録

<目的> 近年の日本理学療法士養成校の臨床実習時間減少から考え、学生側や実習施設側からも、また養成校側からも効率のよい臨床実習の在り方を検討する中、見学実習の集団と個別による効果や、問題点を学生や指導側の意識・学習意欲面によって、比較検討した。 <方法> 理学療法士4年制専門学校において1施設に対しての学生参加人数にて個別と集団に分け、実習前後に学生の学習意欲状態と実習の意識変化をアンケート調査で行った。多数ある養成校において、4年制専門学校2校を対象に行った。アンケート内容については、実習前後で比較できるよう考慮し、学習意欲向上確認には学芸大式学習意欲検査を利用した。 <結果> 集団見学実習を行ったA校は、実習後、自主的学習態度である自らが学習の目標や計画を立て、自発的に学習しようとする態度が上昇した学生が54.5%と多く、責任感や従順性においても50%の学生が実習前よりも上昇。自己評価においては、自分の学力や成績などの学習場面における自分の力量を自分なりに評価する能力や習慣が実習後反省の点も含め下降、実習の成果についての自己判断がうまくできなかったことが認められる。 <考察> 集団でも実習による学習意欲向上や見学実習の役割がなされた。よって、現職理学療法士の先生の負担軽減や、臨床実習施設の少なさへの一つの対策として考えられる。実習前の抑制傾向には、実習前の事前説明等、各校の指導方法による影響を考えずにはいられないが、個別・集団と実習後の抑制傾向の改善はA校に大きく変化が表れ、十分見学実習としての確立が出来ると考える。 <結言>  現職理学療法士への負担を少なく円滑に学生教育ができるように、理学療法士協会が先導に立って、日本の理学療法士教育の今後の方針を早急に検討する時期に来ていることを踏まえ、一つの検討データにしてほしい。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680642637824
  • NII論文ID
    130007005387
  • DOI
    10.11529/thpt.26.0.123.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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