眼科手術後の片眼遮蔽患者に使いやすい病棟トイレの操作器具の配置
説明
<br>【目的】当院の入院患者の約98%は手術目的で、手術眼は翌日まで金具を当てられ遮蔽される。昨年、院内改装工事の際に片眼遮蔽患者にも使いやすい病棟トイレ作りを目指し、患者アンケートを基に改装し、改装前に比べ患者満足度が向上したことを確認した。今回、片眼遮蔽患者がトイレのボタン等の器具を操作する場合、左右どちらの配置が使いやすいかを検証した。<br><br>【対象と方法】当院の入院患者で、眼科手術を行い片眼遮蔽している患者21名および職員(健常者)20名に片眼遮蔽状態で、ペーパーホルダー、手すり、洗浄ボタン、ナースコールなどの操作器具の配置が左右異なる病棟トイレに入ってもらい、それぞれの操作器具を探すまでの時間と探す間のエラー回数及び重大エラーの有無について観察調査した。調査後に操作のしやすさ、使用感などについてアンケートを実施した。遮蔽眼と同じ側に操作器具を配置しているトイレに入る場合(遮蔽眼と同側)と遮蔽眼と反対側に操作器具を配置しているトイレに入る場合(遮蔽眼と反対側)とに分けて解析した。<br><br>【結果】患者では、遮蔽眼と同側、遮蔽眼と反対側とで差があったのは、手すりのみだった。探すまでの時間は、遮蔽眼と同側は2.4±1.3秒、遮蔽眼と反対側は1.6±0.4秒で、遮蔽眼と同側が、有意に時間を要した(p<0.05)。エラー回数も手すりのみに差があり、遮蔽眼と同側(0.6±0.8回)が、遮蔽眼と反対側(0.2±0.4回)に比べ有意に多かった(P<0.05)。健常者では、遮蔽眼及び操作器具の配置に関わらず、どの操作器具とも探す時間、エラー回数に差はなかった。<br><br>【結論】片眼遮蔽した状態では、遮蔽した眼と同じ側にトイレの操作器具が配置されていると、探すのに難しい場合がある。患者の遮蔽状態により部屋割りを考慮し、さらに操作器具の配置については看護師が事前に説明する必要がある。
収録刊行物
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- 日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
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日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集 10 (0), 123-123, 2009
日本ロービジョン学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680642697984
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- NII論文ID
- 130007005467
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可