自治医大附属病院におけるロービジョンケア

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抄録

<br>目的: 自治医大附属病院では2006年4月にロービジョン外来を開設した。初年度の取り組みについてまとめたので報告する。<br> <br>対象・方法: 対象は2006年4月から2007年5月までの14ヶ月間に受診した41例(男性20例・女性21例)である。視力・視野・読み速度などの視機能評価後、医師による問診を行い、各患者のニーズに応じて各種補装具を選定し、使用方法の説明を行った。またロービジョン外来には便利グッズ・更生施設パンフレットや白杖を展示し、適宜紹介した。希望者に対しては外部より歩行訓練士を招き、院内での歩行訓練デモを行った。<br> <br>結果: 受診者の平均年齢は59.4±17.5歳(15~84歳)で、70歳以上が17例(42%)と高齢者が多かった。<br> 原因疾患は糖尿病網膜症13例(31%)、加齢性黄斑変性6例(14%)、緑内障4例(9%)、網膜色素変性症4例(9%)の順に多かった。視覚障害者手帳の取得者34例のうち、1・2級が17例と多かった。購入希望のあった補助具は、拡大読書器11例、拡大鏡11例、遮光眼鏡13例などであった。公共の交通機関の充実した都心から離れているため、車の運転ができず通勤・通学・買い物などの日常生活に困難をきたしている症例が多かった。<br> <br>結論: ロービジョンケアを行うことにより、患者の不自由さを察知し、ニーズにあわせて各種補装具の選定を行うことができた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680644372352
  • NII論文ID
    130007006515
  • DOI
    10.14908/jslrr5.8.0.88.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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