ロービジョンケア普及に果たすサロン活動の役割

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  • 「なぜ眼科でロービジョンケアができないか?」の問いに対するKVSの回答

Description

<目的> 昨年、視覚障害者の自立に関し、眼科でのロービジョンケアの重要性を明記した国の通知が発布された。しかし、遅々として普及していないのが現状であり、その主因は具体的な方法がわからないとの調査結果がある。眼科従事者は、知識を得る場は多く有するが、見えない・見えにくい人とその家族(以下、当事者たち)を肌で感じる(感性)の場が少ないのではないか? 本報告では、その具体的な方法として、サロンのような感性に訴えかける場が重要であると考え、その実践結果を報告する。 <方法> 場所や参加者構成に多様性をもたせたサロン形式の交流の場を多数、しかも定期的に提供する。具体的には、市民センター、病院、図書館等で、「サロン」(月1回)、「病院内サロン」(市立池田病院/2ヶ月に1回)、「講演会&交流会」(年1回)などを実施する。構成は、当事者たち、眼科・リハビリ従事者および支援団体など、いろいろな分野の人が一堂に会するよう配する。 <結果> サロンにより、参加者がお互いの情報を交換し、喜びや悩みを共有することができた。「患者さんに声をかけることができるようになりました。」「多くの方が見えない、見えにくい方々のためのサポートをしていることがわかりました。」等の眼科従事者の感想に代表されるように、いかに早く受容期を迎えてもらい、リハビリにバトンタッチするかという診療最前線でのロービジョンケアのあり方を、眼科・リハビリ従事者、当事者たちがお互いに了解し、共有したとする結果を得た。 <結論> 学術的に体系づけられたケアを理解することと、当事者たちとの「生の声」で感じ取ることとは、ロービジョンケア推進の両輪である。サロンで、お互いに勉強し、肌で感じることにより、個々人にとって異なるQOLを知り、より具体的なケアの方法がイメージしやすくなる。今後、医療をはじめ、いろいろな分野と連携を進め、さまざまな場所で参加しやすいサロンを展開することが必要である。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680644385664
  • NII Article ID
    130007006537
  • DOI
    10.14908/jslrr5.9.0.12.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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