空中の杖と白杖を併用した自立移動

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  • パームソナーとパームチップ

抄録

従来の白杖を使った自立移動の問題点を洗い出し、2つの技術で改善しました。 <br> 耳で周囲を確認しても、聞こえる音の波長は長いので、小さな障害物は分からずに、多重反射で勘違いしやすく、さらに、耳から遠い腰あたりは分かりにくいなどの限界があります。解決策として、周囲の物を手のひらで感じる空中の杖として、超音波ビームを出すパームソナーを開発しました。本体を手のひらに収まるほど小型にし、かつ、指が届く5cmまで近くで使えるので、移動だけでなく、立ったままでも、近くを確かめられる、体の一部のような道具にできました。短い波長8.5mm(周波数40kHz)の超音波を使うので、小さな障害物も探知でき、物がある方向も無い方向も分かります。ビームを横に狭くするため、超音波の穴の出口の横幅を、波長の2倍の17mmにして、超音波を絞っています。穴の深さを25mmにして、絞りを鋭くしています。高効率なバイブレータで、手に分かりやすい200Hzの小気味よい振動を伝えます。本体の幅20mm高さ31mm長さ77mmです。小さくできた理由は、小さいリチウム電池CR2032でも動く各種の技術を開発したことです。自動車用の防滴型の超音波素子を使っています。ビーム長さは30cmから4mまで7段階あり、用途や歩行スピードなどで選びます。自習マニュアルも考えました。波の性質を理解して、練習を重ねて、使いこなしてください。 <br> 白杖は石突きで決まります。パームチップは突っかかりにくい石突きです。直径40mmのキャップ状の超ポリマーと、ナイロン製の受け口を、合成ゴムのクッションで、浮かせて接着しています。確実な操作を楽にできます。 <br> 例えば、接触せずに、放置自転車や通行人をよけながら歩けます。動画などの情報はホームページ palmsonar.com/jp に載せています。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680644646656
  • NII論文ID
    130007006628
  • DOI
    10.14908/jslrr5.8.0.46.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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