座位四股にてスクワット時の膝前面痛が軽減した症例
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説明
【はじめに】25歳男性で前十字靭帯損傷の患者で手術後10週目で15cmの段差から降りて着地をするトレーニングの着地時に疼痛の訴えがあった。膝関節を中心に治療を行っていたが疼痛の改善が見られないため脊柱のアライメントに着目して評価しトレーニングを指導し疼痛の改善が得られたため報告する。【目的】柔軟性が低下しており骨盤の前湾を減少させ姿勢を保持しているため脊柱の柔軟性を出し胸・腰椎にて荷重が分散できるよう患者に対し座位四股を指導した。【経過】脂肪体・膝窩筋・ハムストの柔軟性を獲得できるよう治療を行ったが疼痛の消失には至らなかった。【評価】問診より小学生からサッカーをしており中学生の時に腰痛を訴え他院にて腰椎すべり症と診断された。Swayback姿勢である。SLR右60度左40度であった.体幹伸展で下位腰椎が強く動き胸椎の動きが少ない、体幹屈曲では胸・腰椎の動き・骨盤の前傾が減少し可動域は低下していた。【方法】10分間施行し、座位四股を施行前後でスクワット動作・体幹可動域の比較をする。【結果】着地時の後方重心が減少し疼痛が消失した。体幹可動域では、前屈可動域において改善が見られた。【考察】胸・腰椎が平板化していることで骨盤を後傾方向へ向かわせ脊柱にかかる荷重を骨盤で支えていると考えた。スクワット時も骨盤の前傾が減少しており大腿直筋が伸張され癒着のある膝蓋骨下外方に牽引力が増し膝蓋骨の圧迫が強くなった。そしてハムストリングスのスパズムにより膝蓋下脂肪体の引き込みが減少し膝蓋骨が膝蓋下脂肪体を圧迫し疼痛が出現したと考えた。疼痛の改善が見られた考察として脊椎の柔軟性が出た為骨盤での荷重の分散が胸・腰椎でも行えるようになり荷重の負担が軽減され骨盤の前傾への動きが出現した。またハムストリングスが短縮から開放され筋機能が向上し脂肪体の引き込みが出来るようになり疼痛が減少した。
収録刊行物
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- 東海北陸理学療法学術大会誌
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東海北陸理学療法学術大会誌 25 (0), 41-41, 2009
東海北陸理学療法学術大会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680644974208
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- NII論文ID
- 130007006834
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可