可動域制限を抑えたギプスシャーレの例

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  • 固定力と可動域・相反する項目に対して

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【目的】ギプス包帯やキャスティングテープは固定力に優れ、安静が保てる反面、可動域制限が生じやすく、急性期に不可欠なアイシングも困難である。副木によるソフトシーネでは、固定力不足で特に回旋方向に動いてしまう事がある。テーピングによる固定では、カブレなどの皮膚障害や安易な荷重で安静が保てないおそれがある。安静固定と可動域制限という相反する二つの課題が重要となるが、今回早期回復が必須の症例に対してギプスシーネにテーピング併用することで固定力を保ちつつ、可動域制限を最少にする事が出来たので報告する。<BR> 【方法】足関節内反捻挫の小学生に対して、加水硬化ギプスシーネ(日本シグマックス社オルソグラス)を用い、患者の足型に合わせて成型した。固定は弾性包帯に加えて、ホワイトテープで固定強度を強め、毎回ギプス固定角度を変更し、外した際に底背屈させた。<BR> 【結果】固定期間中も可動域の改善が認められ、ギプス除去時の制限は最少であった。<BR>  【考察】足関節捻挫は完全断裂のオペ症例から湿布安静の軽症例まで様々であるが、早期の不充分な固定は治癒を遅延させ、必要以上の固定は可動域制限を生じさせる。急性期における安静固定とその後の可動域改善が重要で内反捻挫の場合、距骨が脛腓関節に入り込む構造上、長期固定で背屈可動域制限が生じやすい。内反方向のみ制御して、早期からの底背屈は、浮腫、可動域、感覚器において有効と考える。今回急性期固定の工夫と毎回巻き直しによる固定角度対応、底背屈によって、可動域制限を最少に早期の回復をみた。<BR> 【まとめ】ギプスを毎回外して、可動域に対応する方法は、巻き直す手間が発生するが、早期に治療しなければならない症例に対しては非常に有効といえる。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680644975360
  • NII Article ID
    130007006836
  • DOI
    10.11529/thpt.25.0.42.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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