離人感の強弱と身体イメージ操作課題遂行中の脳活動に関するfMRI研究
書誌事項
- タイトル別名
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- A fMRI study on body image manipulating tasks with the subjects of high or low depersonalization score.
説明
離人感の高低によって身体イメージ操作や自己視点の変換操作にどのような違いがあるのか。これまでに調べられたことはなかった。今回、CDSという離人感の強弱を調べるスコアを用いて被験者の離人感の強弱を評定した。そして、身体イメージと視点の操作を必要とする実験課題を用いて、この課題遂行中の脳活動をfMRIによって調べた。 行動データでは、興味深いことに離人感の高い被験者群ではすべての課題条件において、離人感の低い被験者群よりも有意に反応時間が短かった。各条件の反応時間は約1100 msから1300 msほどであったが、いずれの条件においてもhigh群とlow群では約100 msの差があった。一方で正答率には有意差がなく、対照条件(単に矢印の左右を答える)でもこの差は認められなかった。この結果は、high群の被験者が、いい加減に反応しているから速いのでもないこと、および、単純な視覚認知やボタン押し反応自体に差があるのではないこと、を示唆している。 fMRIデータでは、離人スコアの高い群、低い群に共通して左頭頂葉(TPJ)、左下前頭回などで活動が認められた。一方で、高い群では右下前頭回(BA45)で顕著な活動が認められたが、低い群では認められなかった。
収録刊行物
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- 日本認知心理学会発表論文集
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日本認知心理学会発表論文集 2010 (0), 2-2, 2010
日本認知心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680651520256
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- NII論文ID
- 130005036580
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可