解釈レベルの操作による場所の記憶の再構成的変容

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タイトル別名
  • A modification of recalled areas with manipulation of construal level

抄録

時間的距離が遠いとスキーマを使って多くのオブジェクトが思い出され,実際よりも再構成された場所の面積は大きくなる。解釈レベル理論によれば,時間的距離を含む心理的距離が遠い場合は,抽象的な特徴を使って出来事を表象化する(高次解釈)。もし場所の記憶の再構成に解釈レベルが関係するなら,高次解釈をした場合,スキーマを用いた抽象的な解釈が促進され,再構成した場所の面積は大きくなるだろう。そこで,本研究では解釈レベルの操作により,場所の記憶の変容が生じるかを検討した。実験では,卒業した中学校の校舎とグラウンドを同年代の実験参加者に解釈レベルの操作を間に挟んで2回描画させ,操作前後の校舎とグラウンドの面積比を比較した。その結果,部活動を外で行っていた人が高次解釈をしたとき,グラウンドの面積比が大きくなった。ここから,スキーマが十分に形成されている場所の記憶再構成は解釈レベルの影響を受けやすいと考えられる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680652593152
  • NII論文ID
    130005431138
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2016.0_94
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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