文の意味的曖昧性が構造的曖昧性の解消と保留に及ぼす影響
-
- 井上 雅勝
- 武庫川女子大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- The effect of semantic ambiguity on structural ambiguity resolution or retention
説明
(1)「警官が一緒に犯人を捕まえた男性を…」のような単文/関係節の構造的曖昧性をもつ文で、「一緒に」が含まれる場合、「男性」では再解釈に要する処理負荷がより小さくなる。井上 (2008) はこの現象について、「一緒に」が含まれると述語の行為者が複数になることで裸名詞目的語の指示対象も複数になる可能性が増し、述語「捕まえた」までの文の意味解釈数が増加するため、一時的に解釈決定が保留される、という仮説を提案した。本研究ではこの仮説を確証するため、(2)「警官が一緒にその犯人を捕まえた男性を…」のように、指示対象が単数であると想定されやすい指示的目的語を用いることで、文全体の意味解釈の数が少なくなる文と、(1) 文の語句毎の読み時間を比較した。その結果、(2) 文では、「男性を」の読み時間が (1) 文よりも有意に長くなった。この知見は、文の意味的曖昧性が構造的曖昧性の解消/保留に影響することを示している。
収録刊行物
-
- 日本認知心理学会発表論文集
-
日本認知心理学会発表論文集 2010 (0), 81-81, 2010
日本認知心理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680652720128
-
- NII論文ID
- 130005036648
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可