高齢者と若年者における、匂いに関する自伝的記憶構造の相違

DOI
  • 林 美都子
    北海道教育大学 教育学部 函館キャンパス
  • 坂 知美
    北海道教育大学 教育学部 函館キャンパス

書誌事項

タイトル別名
  • Differences of autobiographical memory systems cued by odor between young adults and elders

抄録

日誌法により若年層の匂い記憶の特徴を明らかにした先行研究(山本,2008)を踏まえ、本研究では面接法を用いて、高齢者層との相違を明らかとすることを目指した。若年者34名(平均年齢20.26歳)と高齢者51名(平均年齢75.54歳)を対象としたところ、主に、以下のような相違が明らかとなった。1点目として、若年者のうち3名、高齢者では19名が匂いを手掛かりとしたエピソード記憶が報告されず、直接確率計算の結果、高齢者は若者ほど匂いを手がかりとしていないことが示された。次に、生まれた年齢を0、想起時の年齢を100として、自伝的記憶の生起時期を求めたところ、若年層では平均73.5の時点、高齢層では36.0の時点での生起が最も多く、χ二乗検定の結果、高齢者の方が相対的に人生において古いエピソードを思い出すことが示された。最後に、両層ともに“家族”に関するエピソードが多く報告されたことが共通していた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680653070208
  • NII論文ID
    130006172163
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2017.0_17
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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