凶器注目効果における凶器への注意の捕捉に文脈は無関係?

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Is an environmental context not related to attentional capture in weapon focus?

抄録

凶器に注意が引きつけられ,その周辺情報の記憶が悪くなる現象を凶器注目効果という。その原因には,凶器が日常という文脈に不一致であること,あるいは凶器や犯罪による情動の覚醒が考えられている。先行研究は,文脈不一致である物体は,凶器であるか否かに関わらず注意を捕捉するため,凶器への注意の捕捉は文脈不一致によって生じるとした。しかし,文脈一致である凶器への注意については検討しておらず,文脈の効果だけで注意の捕捉が生じたとは言い切れない。そこで本研究は,文脈の一致不一致が凶器への注意の捕捉に与える影響を検討した。実験では視覚探索の妨害刺激の中に文脈一致である凶器,文脈不一致である非凶器,文脈不一致である凶器のいずれかが含まれるか否かを操作した。その結果,文脈一致である凶器にも注意は捕捉されたが,文脈の効果は非凶器でのみ認められ,凶器への注意の捕捉は,文脈に関係なく生じる可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680653620864
  • NII論文ID
    130006172234
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2017.0_56
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ