シュバイツァー・エコルクスプラスシリーズの使用視距離による実倍率と歪みの特性
抄録
【はじめに】 シュバイツァーから販売されている専用のLEDライトグリップが組み込まれたエコルクスプラスシリーズは、8Dから28Dまでは4Dステップで6種類、さらに39D、48D、56Dの3種類が加わり、合計9種類のラインナップを揃えている。このシリーズは推奨視距離が明示されているが、その距離は220mm~40mmの幅がある。本研究では各拡大鏡を推奨距離で使用した場合を始め、さまざまな視距離で使用した場合の実倍率を測定すると同時に、虚像の歪みの特性を観察した。 【方法】 最初に、レンズメジャーでレンズ第1面及び第2面の曲率半径を計って頂点屈折力F1、F2を求め、次にマイクロメーターでレンズの厚み(t)を測定し、Fe = F1 + F2 - tF1F2の光学式により等価屈折力を求めた。次に、Dickinsonによる方法で虚像を見るのに必要な屈折力(調節力)を検眼レンズと単眼鏡を使用して求め、計算により各視距離(推奨距離及び目とレンズの頂点間距離0cm、5cm、10cm、15cm、20cm、25cm、30cm、40cm)毎の視距離30cmの視角に対する倍率を求めた。 次に、推奨距離、推奨距離よりも短い距離、推奨距離よりも長い距離で使用したときの虚像の歪みを観察した。 【結果と考察】 それぞれの等価屈折力は6.7D、12.7D、14.0D、18.3D、22.3D、23.6D、35.2D、43.6D、50.5Dであり、12Dのものを除き製品に表示されている屈折力よりも9~16%低い値であった。実用倍率を考えると、12Dと16D、24Dと28Dの製品はほとんど倍率の差がなく、24Dのものはレンズ口径が大きいため、28Dよりも実用性が高いように見えるが、24Dの製品はレンズから目を離して見た時の歪曲収差が大きい。10cm以上目を離してみた時は28Dの製品の方が歪みがなく、実用性は高かった。どの製品も推奨距離での歪みはほとんど見られなかったが、その時のそれぞれの倍率は1.8倍、2.4倍、2.7倍、4.2倍、5.9倍、6.6倍、9.6倍、12.2倍、13.7倍であった。12Dと16D、24Dと28D、48Dと56Dの差が小さい。また、虚像までの距離が近く設計されており、推奨距離で必要とされる調節力は2.2D~4.1Dであり、高齢者が使用するためには老眼鏡の併用が必要となる。
収録刊行物
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- 視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
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視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集 19 (0), 37-37, 2010
視覚障害リハビリテーション協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680655646592
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- NII論文ID
- 130007008145
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可