脳卒中後の見え方
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- 仲泊 聡
- 国立障害者リハビリテーションセンター病院
説明
脳がなければ視覚は生じない。この脳が壊れてしまったときに視覚 に変調をきたすのは当然といえる。脳卒中後、見え方がおかしいと 訴える患者は少なくない。まず、ほとんどの患者はピントが合いず らくなる。そして、実際に視力が低下する場合、その病態は、程度 によって大脳性弱視とか皮質盲と呼ばれる。様々なタイプの視野障 害も頻繁に生じる。そして、中には視力と視野の観点からは理解で きないような視覚の変調をきたす場合もある。色が消える、顔だけ わからない、文字だけわからない、場所だけわからない、暗い、奥 行きがわからない、よく見落とすなどと様々な訴えが存在してい る。<br> 多くの場合、これらは、1)視覚伝達路の問題、2)視覚情報 処理の問題、3)視覚的注意の問題に集約することができる。<br> 本ワークショップでは、視覚伝達路の問題として、同名半盲と大脳性弱視・皮質盲について、視覚情報処理の問題として、大脳性色覚異常、相貌失認、純粋失読、街並失認、視覚失認、視覚失調について、そして、視覚的注意の問題として、半側空間無視と同時失認について述べる。また、これらの多くは「見えるはずなのに見えな い」という状態であるが、それとは反対に「見えないはずなのに見える」という状態があるということについても加えて紹介し解説したい。
収録刊行物
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- 視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
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視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集 18 (0), 9-9, 2009
視覚障害リハビリテーション協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680655834240
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- NII論文ID
- 130007008235
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可