女子大学生の食生活と味覚感受性との関連
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- 加藤 佳子
- 九州女子大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The relationship between eating habits and taste sensitivity in female university students
抄録
<BR>【問題】味覚は、食事を楽しむためにも、健康を守るためにも重要な感覚の一つである。しかし近年、味覚感受性が低下している若者が増加しており、問題視されている。そこで本研究では味覚感受性低下にかかわっている要因について探ることとした。<BR>【方法】調査対象者は、女子大学生43名(平均年齢20.56±0.50歳)であった。はじめに甘味溶液(1.50%、2.00%、3.00%、4.00%蔗糖溶液)と塩味溶液(0.14%、0.20%、0.28%、0.40%塩化ナトリウム溶液)に対する味覚感受性について調査した。その後、外食、中食の利用、食生活の規則性、食事制限など食生活に関する内容や亜鉛を多く含む食品の摂取頻度や嗜好について調査し、食生活と味覚感受性との関連について検討した。<BR>【結果と考察】得られたデータから甘味に対する味覚感受性が高い群を甘味味覚感受性高群(SWH群)、低い群を甘味味覚感受性低群(SWL群)とし、塩味に対する味覚感受性が高い群を塩味味覚感受性高群(SAH群)、低い群を塩味味覚感受性低群(SAL群)とし、食生活や亜鉛の摂取状況などについて比較検討した。その結果、SWL群は、SWH群に比較して、中食を摂取する程度が高かった。そして“ひじき”を摂取する程度が低かった。またSAL群は、SAH群に被比較して、“かに”、“そば粉”、“いちご”を摂取する程度が低かった。味覚感受性は、食生活や食品の摂取と関連している可能性があることが示された。中食の利用と味覚感受性との関連性については、中食には、亜鉛を体内から排出するポリリン酸ナトリウムが多く使用されていることと関連している可能性がある。亜鉛の欠乏は、増加傾向にあるうつ状態とも関連しているといわれており、亜鉛の摂取に注目して、食生活について検討することで、現代抱える健康上の問題改善のために、有効な知見を得ることができると考えられる。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 21 (0), 2075-2075, 2009
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680665476992
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- NII論文ID
- 130007009512
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可