カタクリにおける長期個体群動態ー開花・結実パターンと若齢個体の休眠についてー
書誌事項
- タイトル別名
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- Demography of Erythronium japonicum population with the pattern of flowering and seedling establishment
抄録
カタクリはユリ科カタクリ属に属する多年生草本である。本種は基本的に種子による繁殖のみを行い、個体が実生から開花の成長ステージに達するまで10年以上かかることが知られている。そのためその群落の変遷の速度は遅く、約15年で個体の入れ代わりが起こると考えられている。そのため若齢個体の成長パターンや開花個体の開花・結実パターンなどの生活史戦略にもこうした長期間の個体群動態に適応した戦略があることが予想される。演者らは本種の個体群動態と生活史戦略の詳細な解明を目的とし、1994年から2004年までコドラートセンサスによる個体追跡調査を継続して行った。北海道札幌市定山渓付近の針広混交林内にあるカタクリ群落に永久コドラート(1 m x 1 m)を12個設置し、コドラート内の各カタクリ個体の分布を記録、標識マークを施した。特に実生と若齢個体、開花個体について、その定着率と出芽率、開花・結実率を毎年追跡した。実生の発芽頻度には年間差が見られ1994年と2002年に明確な増加数のピークが現れた。この事は個体群への新規個体加入に周期性があることを示唆していた。それら幼若個体の定着率は低かったものの、2年以上生存できた個体ではその後の生存率は安定していた。しかし各個体の出芽頻度は不定期で、個体間で成長率にも差が見られた。さらに開花ステージに達した個体では2-3年連続して開花が見られ、その後2-3年は開葉のみの非開花ステージに戻る個体が高頻度で観察された。また個体群全体の開花パターンも明確ではないが同調する傾向が見られた。このような開花とそれに伴う結実パターンは個体群成長に大きく関連していると思われる。
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ51 (0), 787-787, 2004
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680666203904
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- NII論文ID
- 130007010378
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可