タガメ存続にとってのカエル類保護の重要性
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- 平井 利明
- 愛媛大学農学部附属農場
書誌事項
- タイトル別名
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- Importance of Anuran Conservation to Prevent the Giant Water Bug from Extinction
抄録
刊行や改訂が進められている全国版及び地方版レッドデータブックによれば、水田の減少、農薬、水質汚染、街灯の増加などがタガメの衰退原因とされている。タガメの主食がカエル類であること(Hirai & Hidaka 2002)、及び全国の水田でカエル類の著しい減少が観察されていること、この2つの事実からカエル類の減少がタガメの衰退原因である可能性が極めて高いと考えられる。しかしながら、その可能性を指摘しているレッドデータブックは存在しない。タガメを絶滅させないための適切な対策を講じるには、真の原因究明が不可欠である。そこで私は、カエル類の減少がタガメに及ぼす影響について調査した。まず、タガメの主要餌種であるニホンアマガエル成体、シュレーゲルアオガエル成体、トノサマガエル幼体の密度をタガメが残っている地域とすでに絶滅した地域間で比較したところ、いずれもタガメが残っている地域で高密度であった。また、タガメが残っている地域間の比較でも、タガメのより多い地域でカエル類がより高密度であった。これらの結果は、タガメの密度がカエル類の密度に依存的であることを示しており、カエル類の減少がタガメ衰退の主な原因である可能性を強く示唆する。さらに、夜間照明がタガメに及ぼす影響についても調査した。夜間照明に飛来した個体の肥満度指数(体重g/体長3mm×105 , X±SD=1.68±0.17)は、水田に残っていた個体(2.28±0.03)のよりも有意に低かった。この結果は、タガメが機械的に夜間照明に引き寄せられているのではないことを示しており、満腹の個体は水田にとどまっているのに対して、空腹の個体が水田から移動分散していることを示唆している。つまり、街灯の増加はタガメ衰退の直接的原因ではないと考えられる。以上の結果から、タガメ存続にとって、主要餌種であるカエル類を高密度に保全管理することの重要性を指摘した。<br>
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ51 (0), 749-749, 2004
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680666260352
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- NII論文ID
- 130007010477
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可