過熱水蒸気の投入時期がケーキの調理成績に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- The effect of the timing of superheated steam spouting on the cakes baked with steam convection oven
抄録
<BR>【目的】<BR> スチームコンベクションオーブン(以下,スチコンと略)による加熱は,初期に蒸気の凝縮により急激な温度上昇が起きるため,オーブン加熱とは異なる調理成績になることが明らかになっている。本実験では,凝縮熱による加熱効果を利用しない場合,すなわち食品の表面温度が100℃以上になってから蒸気を投入した場合の過熱水蒸気の影響を明らかにすることを目的に実験を行った。<BR>【方法】<BR> 業務用のスチコン(OZCSO-1800,OZAKI)を用い,庫内温度180℃で25分間,蒸気の投入時期を変えてスポンジケーキを焙焼した。焼き上がり重量,形状,表層部の焼き色(色差計),表層部および内部の破断特性値(クリーフ゜メーター),表層部の温度(サーモク゛ラフィー)を求めた。<BR>【結果】<BR> 蒸気を投入しないでケーキを焙焼した結果,表層部の温度が100℃に達するのは5.5分後であった。そこで焙焼時間25分間のうち,加熱開始5.5分後,10.5分後,15.5分後,20.5分後に蒸気を投入したケーキ,及び全く投入しないで焙焼したケーキの調理成績を比較した。焼きあがり重量は,蒸気を投入する時期が遅くなるほど有意に減少した。焼き上がりのケーキの高さは,加熱開始15.5分後に投入したケーキが最も高く,蒸気を投入しないで焙焼したケーキが最も低く,それ以外のケーキは同じであった。蒸気を投入する時期が遅くなるほど焼き色のL値は次第に高くなり,表層部の破断応力およびもろさ応力は次第に減少した。また,焙焼途中から蒸気を投入すると,蒸気を投入しないで焙焼したケーキに比べ,投入時以降のケーキ表層部の温度上昇が認められた。これらの結果より,ケーキ表層温度が100℃になった後も,蒸気投入によって伝熱量が増えている可能性が示唆された。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 19 (0), 170-170, 2007
日本調理科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680666411520
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- NII論文ID
- 130007010718
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可