Latitudinal variation in sexual size dimorphism of sea-run masu salmon, Oncorhynchus masou

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  • 降海型サクラマスにおける体サイズの性的二型の緯度間変異

Description

体サイズの性的二型 (sexual size dimorphism, SSD)、すなわち体サイズの性差は多くの動物種で認められており、SSDの進化プロセスを解明することは進化生態学の主要課題の1つとなっている。本研究においては、降海型サクラマスにおけるSSDの緯度間変異の把握とその進化プロセスを検証した。<br> 降海型サクラマスの回帰親魚の性比には緯度クラインがあると考えられている。例えば、降海型の南限地域 (北陸南部および三陸中部) においては回帰親魚の100%近くがメスで占められるが,北限地域にあたるロシア沿海州北部地域やカムチャッカ西岸ではメスの割合が60%ほどになる。 この回帰親魚における性比の緯度クラインは,北方域ほど回帰メス一尾に対する回帰オスの数が増加すること(すなわち実効性比が増加すること)を示している。 このことから北方の個体群ほど繁殖場での降海型オス間の競争が激化するため,より大型のオスが高い受精成功を得ることができる(北ほど大きな降海型オスが有利)と推察される。 そこで本研究ではサクラマスの降海型個体群において,1)メスの回帰親魚の平均サイズは緯度と関連がないが、個体群の緯度位置が高くなるほど 2) オスの回帰親魚の平均サイズは大きくなるので、3) 回帰親魚の相対サイズ (オスの平均サイズ / メスの平均サイズ) が大きくなることを予測した。 今回は、日本海沿岸の20個体群 (北緯36_-_49度の範囲) のデータを用いて、それらの予測を検証した結果を発表する。<br>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680666543872
  • NII Article ID
    130007010928
  • DOI
    10.14848/esj.esj51.0.832.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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