海岸砂丘前面及び背面に生育するコマツヨイグサの生活史
書誌事項
- タイトル別名
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- Life history of Oenothera laciniata Hill. grown on front and rear coastal sand dune.
抄録
コマツヨイグサ(Oenothera laciniata Hill.)は北米原産の帰化種で,東北以南の海辺や河原など,乾いた砂地に広く分布する可変性二年草である。一般の海浜植物と比較すると,種子サイズや形態がこのような環境に適しているとは考えづらいが,かなり大きな純群落を形成することもある。 これまでの研究で,茨城県以北では,一般に言われている可変性二年草とは異なり,環境が厳しいと考えられる北で,生育期間を短くし,winter annualsではなく,summer annualsの生活環を示すことが明らかになった。これは,繁殖開始サイズを小さくすることにより,環境ストレスが大きく,死亡圧が高くなる冬季を種子で回避するための生活史戦略であると考えられる。しかし,同じ場所でも,他の植物も生育している砂丘背面と,海に近く,より厳しい環境であると考えられる砂丘前面では,個体サイズや生活環が異なっている事が観察されている。そこで,砂丘の前面と背面でコマツヨイグサ個体群を調査し,その生活環と個体サイズを比較した。 調査は2004年,茨城県鉾田町大竹海岸でおこなった。海風の吹き付ける砂丘前面から頂上部にかけてと,砂丘背面下部から続くなだらかな斜面にコドラートを設置し,当年生実生をマーキングしてサイズを追跡調査し,開花や結実などの生育段階も記録した。同時に追跡個体と同程度のサイズの有花・無花個体を砂丘前面,背面それぞれから10個体ずつ持ち帰り,成長解析を行った。 個体サイズ,開花個体サイズの平均とそのサイズ分布は前面と背面で有意に異なり,前面で小さかった。また,死亡率は前面で高く,昨年と同じ傾向を示した。これらの結果と成長解析のデータを用い,コマツヨイグサの生活史戦略について考察する。
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ52 (0), 670-670, 2005
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680666562048
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- NII論文ID
- 130007010958
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可