小笠原の川の固有水生生物 2.ユスリカについて
書誌事項
- タイトル別名
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- Aquatic organisms endemic to the streams of Bonin Islands. 2. chironomids
抄録
小笠原諸島は大陸と陸続きになったことのない海洋島であるため動植物相に多くの固有種が含まれる。ユスリカについても、これまでに記録された23種のうち実に65%にあたる15種が固有種とされ、非常に特異なユスリカ相であることが分かっている。しかし、小笠原のユスリカの生息場所や他の生物との関係などについては全く明らかになっていない。 我々は、父島および母島の河川でユスリカ幼虫を採集し、属レベルでの分布を調査した。また、成虫を羽化させることにより、ユスリカ優占種の生息場所を明らかにした。ユスリカ幼虫の採集はDフレームネットおよび100µmメッシュのハンドネットで行い、優占種と思われるものの一部を6穴のマルチプレートで成虫になるまで個別に飼育した。採集時には採集地点の水温、pH、電導度を測定した。 優占種は河川のよどみや水たまりではChironomus ?claggi であり、河川の流れが速い急傾斜の場所ではオガサワラフタオツヤユスリカ(仮称)Cricotopus ogasaseptimus だった。 C. ?claggi は成虫・幼虫ともに形態がセスジユスリカC. yoshimatsui に非常によく似ていたため、セスジユスリカが持ち込まれた可能性も考えられたが、C. ?claggi と北海道・四国産のセスジユスリカのミトコンドリアDNAのチトクロムオキシダーゼ遺伝子領域の塩基配列を比較した結果、両者の塩基配列は大きく異なり、侵入種ではないことが確認された。 小笠原固有種であるオガサワラフタオツヤユスリカはカワモズクの一種や糸状緑藻の中に巣を作っていた。この種が属する trifascia-groupのCricotopus が優占種となる例は他では知られていない。複数の地点で採集されたがいずれの地点も渇水で容易に消失するような不安定な環境であると思われた。
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ52 (0), 746-746, 2005
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680666704896
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- NII論文ID
- 130007011214
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可