米飯老化の検出とその抑制

書誌事項

タイトル別名
  • Rice retrogradation slowing down by alpha-glucosidase

説明

<BR> 【背景】<BR>  国内の中食市場を中心に様々な米飯食品が販売されているが、炊き立ての食感を長く維持することは難しい。食感低下の原因は、炊飯により澱粉結晶が解け、柔らかく粘りのある糊化状態となったものが、澱粉の再結晶化により硬く粘りの無い状態になることと考えられている。我々は、糖鎖を基質とするα-グルコシダーゼを米に作用させることにより、炊飯後の経時的な食感低下が抑制されることを見出した。そして、NMRイメージングによって視覚的にα-グルコシダーゼの効果を観察することに成功した。<BR> 【方法】<BR>  米の水浸漬時にα-グルコシダーゼを加え、室温で24時間反応させた後、炊飯を行った。10mmφのNMR試料管に、α-グルコシダーゼ処理、無処理の炊飯米を並べて封入し、炊飯直後から24時間後までのNMR緩和時間T2の経時変化を追跡した。この結果について、テクスチャーアナライザーによる硬さと粘り、及びアミラーゼ・プルラナーゼ法による糊化度の経時変化と比較した。<BR> 【結果・考察】<BR>  α-グルコシダーゼ処理した炊飯米は、T2の経時変化が少ないことが判った。T2は分子の運動性に対応して変化する量であり、α-グルコシダーゼ処理することによって炊飯米中の水分子の運動性が一定に保たれる傾向があると考えられる。これは、粘りと硬さ、及び糊化度の経時変化と同様な傾向であり、T2は米飯老化の様子を観察する良いパラメーターであることが判った。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680666873984
  • NII論文ID
    130007011515
  • DOI
    10.11402/ajscs.20.0.114.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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