希少種ベニバナヤマシャクヤクの個体群動態と盗掘による影響の予測

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タイトル別名
  • Population viability analysis of an endangered plant, Paeonia obovata, based on matrix model and estimated effects of illegal flower steals.

抄録

絶滅が懸念される希少な動物の保全を考える上では、個体群レベルでどのような構造を持ち、どのように推移しているのかを把握する必要がある。なぜなら、それらが絶滅の監視になるとともに、それがその植物の生活史や環境・他の生物との関わりを反映しているからである。<br><br> 本発表では、落葉樹林の林床や林縁に生育する多年草でRDBに指定されているベニバナヤマシャクヤクPaeonia obovataの個体群を材料に取り上げる。北海道大雪山国立公園東部で確認した個体群において個体識別を行ない、6年間にわたって個体サイズの変化と繁殖状況を追跡した。本種は葉数に基づいてサイズ階を区別することができるため、葉数を基準に推移行列モデルを作成して個体群の推移を予測した。その際に、6年間の推移率・死亡率・繁殖率の変動から行列の各要素の変動を与えて推移をシミュレーションし、100年後の絶滅確率を求めた。<br><br> また本種は、生育地の減少とともに高い盗掘圧が脅威となって個体数が減少している。この影響を評価するために、モデル上で開花個体の除去あるいは大サイズ個体の全除去を行なって、個体群が盗掘前の水準に戻るまでの年数を求めた。<br>以上の結果から、予測される本種の生活史特性と、盗掘の与える影響について述べる。<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680666900352
  • NII論文ID
    130007011563
  • DOI
    10.14848/esj.esj51.0.504.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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