耕起法の違いがミミズの活動に与える影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of reduced tillage on earthworm cast production of surface layer
抄録
日本では、耕地におけるミミズの役割を把握する研究が遅れている。近年環境に配慮した減耕起法が注目を集めており、耕起法と作物収量との関係が調べられているが、耕起法がミミズの活動に与える影響は調べられていない。 実験は東北農業研究センター福島キャンパス内で長期にわたり不耕起処理されていた圃場で行った。耕起処理は、不耕起、慣行耕起(全面、深さ15cmを耕起)、表面耕起(全面、深さ7cmを耕起)、畝耕起(畝40cm、深さ15cmを耕起)、畝表面耕起(畝40cm、深さ7cmを耕起)の5条件3反復で行った。各試験区は4×7mで、ハクサイを畝間80cm、株間40cmで栽培した。栽培期間は2004年9月14日から11月24日までである。それぞれの試験区において耕起処理前と栽培期間中に表層に排出されるミミズの糞を固定枠(80×80cm)から定期的に採取した。耕起は2回行い、2回目の耕起の時に、試験区に隣接する土壌からミミズを採取し、耕起時のミミズの垂直分布を調査した。 調査地に優占しているミミズはヨコハラトガリミミズであり、成体は20cmを超える大型のミミズである。耕起時のミミズの生息分布割合は、深さ0-7、7-15、15-40cmでそれぞれ20%、40%、40%であった。耕起前の糞生産速度は、17.8±1.01 g m-2 day-1(各処理区の平均±標準誤差)であった。栽培期間中の糞生産量は、不耕起区で968.2 g m-2、慣行耕起区で0.3 g m-2、表面耕起区で116.8 g m-2、畝耕起区で66.7 g m-2、畝表面耕起区で120.6 g m-2であった。糞生産量は分散分析において有意な差(p<0.05)が認められた。ハクサイ結球重は不耕起区で軽かったものの、表面耕起、畝耕起、畝表面耕起区は慣行耕起区とほぼ同等の収量が得られた。本研究から減耕起を行うことで、ミミズの糞生産量は不耕起の10%程度になることが明らかとなった。またこれら減耕起栽培でミミズの活動を保ちつつ慣行栽培なみの収量を上げうる可能性が示唆された。
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ52 (0), 819-819, 2005
日本生態学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680667221376
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- NII論文ID
- 130007012135
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可