ダチョウ卵の卵白を利用したフィナンシェの調製

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タイトル別名
  • The preparation of "FINANCIERS" by using Ostrich eggs of albumen

抄録

〔目的〕新食料資源として期待されるダチョウ卵を用いて、前報では起泡性を利用したスポンジケーキを調製し、バター添加によって好成績が得られた。本研究では、ダチョウ卵の卵白量の大きいこととその付着性に注目し、バターの多いフィナンシェを調製し、そのテクスチャー、色などを調べ、官能検査を行ってその適否を調べた。〔方法〕ダチョウ卵は茨城県産42ヶ月齢_から_48ヶ月齢、アフリカンブラック種無精卵(1396.2±213.0g)を用い、対照は白色レグホーン種鶏の市販卵とした。試料は予備実験の結果から、無塩バター(よつ葉乳業製)35g、各卵白70g、上白糖(新三井製糖)60g、薄力小麦粉(日清フーズ)25g、アーモンドプードル(ギャバン朝岡)25gを用いた。バッター各40gを180℃、10分で焼成した。バッターの比重、焼成後のフィナンシェの色(日本電色、ZE2000)、体積、重量、膨化率、水分含有率(赤外線水分計、ケット600)、テクスチャー及び官能検査を行った。組織試料はフィナンシェの中央部を5mm角に切り出し、2.5%グルタルアルデヒド溶液、1%オスミウム酸で固定し走査型電子顕微鏡で観察した。〔結果〕ダチョウ卵卵白を用いたフィナンシェは、バッター比重1.13で、焼成後重量及び重量変化率(87%)は鶏卵を用いたフィナンシェと大差がなかったが、体積及び膨化率(160%)、水分含有率は鶏卵製品より低い傾向を示した。ダチョウ卵で作ったフィナンシェのテクスチャーは、かたさ応力、凝集性で鶏卵を用いたものより低値を示した。製品の色では両者で「感知せられるほどの」違いがあった。16人のパネルによる嗜好型官能検査では、きめの細かさを除いて、いずれもダチョウ卵を用いたフィナンシェが良い成績を示した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680667527808
  • NII論文ID
    130007012619
  • DOI
    10.11402/ajscs.15.0.51.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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