亜臨界水処理によるオカラの食味評価

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Sensory score of processed okara by subcritical water

抄録

【目的】食生活の欧風化により摂取量の低下が著しい食物繊維供給源として、また、豆腐生産の副産物であるオカラの再利用の観点より、オカラを亜臨界水(高温高圧水)処理し、得られたペースト状のオカラ(以下オカラピューレ)の食品素材としての可能性を探るため、3種の調理について食味評価を行った。<br>【方法】肉団子、焼卵、スポンジケーキについて基本試料(以下A)、オカラ添加(以下B)、オカラピューレ添加(以下C)の3種を調整し、評点法により検討した。<br>【結果】1)「肉団子」では、評価項目の中で舌ざわりに有意差が認められ、CがAに比べなめらかと評価された(p<0.05)。この他外観ではCの評価が悪かったが、テクスチャーや味に関する項目では良い評価が得られた。総合評価も有意差はみられなかったが、Cが良いと評価される傾向であった。2)「焼卵」では、有意差の認められる評価項目はなかったが、比較的分散比が高いきめや歯切れでCは良い評価が得られた。総合評価ではAとは同じであったが、Bに比べてCが良いと評価される傾向であった。3)「ケーキ」ではきめ、しっとり感において有意差が認められ、きめについてはCがBやAに比べて有意に細かいと評価され、しっとり感でもCはAやBに比べしっとりしていると評価された。しかし、総合評価においては、有意差はなかったものの、基本試料が最も良く、オカラピューレ添加試料が悪いと評価される傾向であった。4)以上より、肉団子や焼卵においては、オカラピューレ添加により保水性が高まり、なめらかなテクスチャーが得られたことで、調理品の品質は高まったと言える。しかし、ケーキのように製品の水分量が少ないものでは評価が低く、調理法など今後に課題が残された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680667824768
  • NII論文ID
    130007013100
  • DOI
    10.11402/ajscs.16.0.134.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ