絶滅危惧種ホトケドジョウの分布と生息環境
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- 土門 良平
- 東京農工大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Habitat and distribution of Lefua echigonia
説明
谷戸田と二次林からなる谷戸環境を主な生息地とするホトケドジョウは、谷戸の宅地化などの影響を受け、その生息地を奪われ、現在では絶滅危惧種IB類に指定されている。本種の保全のためには、その分布状況や環境選好性を明らかにする必要がある。本研究は東京都八王子市南部を流れる大栗川水系に属する支流すべてを調査地とし、源流から下流約1kmの範囲で本種の分布状況と水路の環境条件を調査した。7_から_8月にかけて大栗川水系に属する16の支流で採捕調査を行った結果、7つの支流でホトケドジョウが採捕された。そのうち50個体以上採捕されたのは5つの支流で、その他の2つでは10個体以下であった。ホトケドジョウが採捕された調査地とされなかった調査地との間で、環境調査結果の値をU検定を用いて比較した結果、水深、流速、カバー面積、水田面積、住宅地面積などの要因で有意な差があった。ホトケドジョウの採捕個体数と環境調査結果との間で相関を調べたところ、水深やカバー面積、水田面積、森林面積、土水路などの要因と正の相関がみられ、流速、コンクリート水路、住宅地面積などと負の相関がみられた。宅地化や、コンクリート水路の増加により、水路のカバー面積や淵が減少し、流速が早くなったことが本種の生息に影響を与えていると考えられる。本種の保全には源流部付近の自然環境を保全することが特に重要であると考えられる。また、現在、本種の集団遺伝構造を明らかにするためAFLP法を用いて解析を行っている。
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ52 (0), 433-433, 2005
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680668112640
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- NII論文ID
- 130007013526
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可