減塩醤油を用いた減塩調理への慣れの評価
書誌事項
- タイトル別名
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- Evaluation of the effect of habituation on low-salt cooking by continual usage of the low-salt soy sauce
説明
【目的】食塩の過剰摂取は高血圧を引き起こすとされており、食塩摂取量のさらなる低減が望まれている。そこで本研究では、食塩嗜好には慣れの現象がみられるとの報告があることから、通常の濃口醤油の半分の食塩含量である減塩醤油を継続使用した場合の低塩に対する慣れの影響について検討した。<br>【方法】対象者は女子大学生12名で、A.一人暮らし、B.日常的に濃口醤油を使用、C.食塩濃度差識別試験に正解、を条件とした。実施した試験は次の通りである。(1)鹹味嗜好試験(1回目):食塩濃度の異なる醤油で調理した「マグロ刺身」「高野豆腐含め煮」の嗜好調査。(2)減塩醤油生活(36日間):調理に使用する醤油をすべて減塩醤油(食塩含量7.8%、キッコーマン社製)とした。(3)(1)と同様の鹹味嗜好試験(2回目)。(4)濃口醤油生活(49日間):使用する醤油を濃口醤油(食塩含量16.0%、キッコーマン社製)に変えた。(5)(1)と同様の鹹味嗜好試験(3回目)。なお、(2)および(4)の期間中、醤油使用量を記録した。<br>【結果】(1)「マグロ刺身」鹹味嗜好試験において、減塩醤油生活後の試験で減塩醤油につけたものが濃口醤油より有意に好まれたが、その他の時期の試験では差は認められなかった。(2)「高野豆腐含め煮」の最も好まれた食塩濃度を減塩醤油生活前後で比較すると、生活後に低くなる傾向があった。(3)減塩醤油生活中の1日の醤油使用量は4.3±2.2g、濃口醤油生活中は3.1±1.9gで、減塩醤油の使用により食塩摂取量が約33%減少した。これらの結果は、減塩醤油を1ヶ月継続使用することが、低塩に対する慣れと、実質的な減塩につながることを示唆している。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 26 (0), 122-, 2014
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680668703488
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- NII論文ID
- 130005481236
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可