Difference of heat island intensity between holiday and non-holiday at Otemachi, Tokyo

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  • 大手町のヒートアイランド強度に関する休日・非休日の差

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1.はじめにヒートアイランド現象が起きやすいのは晴天で静穏な間帯である.地表状態の差異がヒートアイランド現象発現の主要な原因であるが,生活排熱,オフィスや工場などの排熱,自動車の排熱など,つまり都市部に集中する人工排熱も原因とされている.日々では変化しない地表状態や規則正しい時間・季節変化をする太陽放射に比べて,人工排熱は人間の活動と密接に関係する.すなわち非休日に比べて休日には都心部での人工排熱は少ないと予想される.このことに着目して,休日と非休日とで,ヒートアイランド強度に差があるかどうかを統計的に検証し,間接的ではあるが人工排熱の寄与を検証することを研究の目的とする.本研究では,東京大手町とヒートアイランドの影響を受けていない周辺のアメダス観測点のデータ(1995年1月から2004年12月の10年間分)から,条件に合う日を抽出し,休日と非休日とでヒートアイランド強度に差があるかどうかを検討した.2.データ使用したデータは,「気象庁(電子閲覧室)」より,アメダス観測データの「地点ごとのデータ」から,「1ヶ月の毎日の値」と「1日の毎時の値」を取り出して使用した.使用した項目は,「平均気温,最高気温,最低気温,平均風速,最大風速,降水量,日照時間」の7項目である.3.データ処理本研究では,ヒートアイランド強度を,大手町の気温から館野の気温を差し引いたもの定義とした.また,ここでは土日祝日と年末年始を休日とし,それ以外の日を非休日と定義した.気象庁から取得したデータをExcelに落とし,「休日・非休日別,地点別で,平均気温・最高気温・最低気温の平均値を月毎に求める」といったクロス集計を行い,そこから地点間の差をとりヒートアイランド強度を求めた.順に,時間帯や天候,風の強さなどの項目を利用してデータにフィルターを掛けていき,そこから人工排熱の影響が出やすい条件を模索した.4.結果と考察休日と非休日とでは,自然現象の発現に差が出ることは,確率的にありえないと考える.この仮定のもとで,休日と非休日とで,ヒートアイランド強度に差があるかどうかを統計的に検証した結果,休日と非休日とで,ヒートアイランド強度に差が生じ,夏の日中,冬の明け方,特に,晴天・曇天日,弱風日には顕著な差が出ることがわかった.また,夏季・冬季においては日中,春季・秋季においては明け方に大きく出ることも分かった.結論として,東京都心のヒートアイランド現象に対する人工排熱の寄与を確認することが出来たといえる.よって,一般に小さいと思われていたヒートアイランド現象に対する人工排熱の影響は,意外にも大きいことが明らかになった.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680668806912
  • NII Article ID
    130007014409
  • DOI
    10.14866/ajg.2006s.0.255.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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