'Mapping' of Key Thinkers on Space and Place

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  • 空間・場所をめぐる思想家の「地図化」

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近年,空間や場所をめぐる様々な理論や概念が学界内に溢れかえっている。このような洪水状態を前に,何から手をつけてよいのか分からず,ただ呆然と立ち尽くす者は,おそらく発表者らだけではないと思われる。本発表では,空間論や場所論をめぐる思想家とそのキーワードとの関係を分析し,現在の(空間論や場所論といった)思想的潮流にはどのような特徴があるのか,そしてそれらがどのような関係にあるのか,見取図を作り,理解を深めることにした。<BR> 主要な思想家およびキーワードを選択するには,いくつかの方法が挙げられる。たとえば,近年の主要雑誌等に掲載される論文や単行本から人名ないしキーワードを拾い上げていく方法があるであろう。しかし,このような場合,選択する基準を明確にしにくいこと,また「主要」なものと「その他」を区別することが難しいことなどの問題がある。そもそも,そのような区別をするためには,ある程度の思想的潮流を理解していないと難しい。本発表では,その前段階となる潮流を提示することを目的とするのであるから,相応しくはないであろう。<BR> 今回は,とりわけ初学者が思想的潮流を理解しようとすることを考え,教科書ないし辞典といった基礎的書物から,思想家やキーワードを取り出すことを考え,最終的にはPhil Hubbard, Rob Kitchin and Gill Valentine eds.(2004), Key Thinkers on Space and Place, Sage. 内に取り上げられる52人と,同書用語集の74語を分析対象として選択することにした。本書はもっとも新しく刊行された地理思想に関する学部生向けの教科書であり,一般的傾向は理解できると考えたからである。問題点としては,そもそも編者らによって思想家が絞り込まれているという点があるが,これは上記のような本発表の問題意識に照らせば,それほど問題とはならない。ここでは初学者向けに選定されており,潮流を理解するにはむしろ好都合である点を重視したい。<BR> ここでは,これらの人物と用語をコレスポンデンス分析にかけ,クラスター分析によって分類を施した結果のうち,次元1と次元2から作成した散布図を掲載しておく(図参照)。大きく区分すると,3つの潮流があることが分かる。次元1がクラスター_I_・_II_と_III_を区分し,次元2が_I_と_II_を区分する。これらのクラスターはそれぞれ,_I_:社会/文化,_II_:政治/経済,_III_:数理/計量という指標を与えることができる。図を見ても分かるように,_III_の数理/計量グループは,他の2グループと異質な状況にある。_I_と_II_については,引用_-_被引用関係などをみても相互の交流も密であり,1つの大きなうねりとしてとらえることも可能である。<BR> なお,図示してはいないがクラスター分析を5分類までとると,_I_と_II_がそれぞれ2つに小分類される。具体的な人名で言えば,_I_はブルデューとバーンズが,_II_はレイとトゥアンが分化する。後者は「人文主義」と括ることが可能である。ブルデューとバーンズにつては,適切な語があまりうかばないが「多方面への影響」を与える集団と言える。<BR> これ以外の分析結果については,書内の引用_-_被引用関係についてのネットワーク分析結果などもふまえつつ,当日報告することにしたい。

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