What should we teach in geography education?
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- AKIMOTO Hiroaki
- Dokkyo University
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- ASAKURA Keiji
- Joetsu University of Education
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- KOGUCHI Hisatomo
- Toyota Primary School,Nakayama machi,Yamagata
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- HIRASAWA Kaoru
- kazo shi Education Board
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- YOSHIDA Kazuyoshi
- Nagamine Primary School,Inagi shi,Tokyo
Bibliographic Information
- Other Title
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- 地理教育では何を学ばせるのか
Description
1.学校教育分野における地理教育の課題と取り組み<BR>地理教育では何を学ばせるべきだろうか。地理教育において児童・生徒に身につけさせたい力とは何だろうか。この問題は、従来から何度も議論されてきた。教育内容は、普遍性が要求されるとともに、時代の要請に応じてある程度その内容を変えていくことが求められていることによる。本委員会では、今日の社会において、地理教育の果たすべき役割を考えつつ、地理教育の内容やあり方を検討するための基礎的な資料の収集を行っている。 具体的には、地理教育の「基礎・基本」に関する先行論文・資料等の収集整理、インタビューおよびアンケート調査である。先行論文の収集では、約250本論文を収集し分析を進めている。ここでは、インタビューと「基礎・基本」に関するアンケート調査の概要について報告する。<BR>2.インタビューから考える地理教育の意義 <BR>インタビューは2005年12月から順次行っている。対象者は、大学時代に地理学を学び、教員以外の道に進み、活躍されている方々である。インタビューを行う理由は、従来地理教育について、教員を中心とする地理教育および地理学の専門家のみで検討する傾向にあった。しかし、社会に期待される地理教育を構築するためには、教員以外の視点が不可欠であるという認識による。インタビューの内容は、大学で地理学を選んだ理由、大学時代の地理学に関する思い出、仕事と地理学の関係、初等中等教育で学んで欲しいこと、地理学を学ぶ人へのメッセージなどで、本人の経歴等に合わせて自由に語っていただいた。インタビューからは次のような知見が得られた。まず、地理学を学ぶきっかけはさまざまであるが、中学校や高等学校の教員の影響が大きいことである。したがって、地理学の活性化のためには初等中等教育の教員の資質向上が不可欠である。また、地理学教育に関しては、次のような利点をあげた。第1に自然と人文の両分野にまたがって学習するため、多面的・多角的な考察力が身につくこと。第2にフィールドワークの経験を通じて、現場でものごと考え、実証する態度が養われたこと。第3に地理では、地図を用いて多様なスケールでものごとを考察するが、このことによってマネージメントに必要不可欠な組織の各部署を全体の中に位置づける能力が身についたこと。これらは、従来から行われている地理学教育が社会でも十分役に立つことを物語っている。 さらに、初等中等地理教育において期待することとして、最低限の地名・位置などの知識の定着、地図や書籍等を用いて地域の状況を知る技能を身につけること、総合的・客観的かつグローバルな視野で現代社会を見る目を育成することの3つが共通してあげられた。しかも、今後の社会ではこれらはますます重要になると指摘し、地理教育への期待が述べられた。<BR>3.アンケート調査にみる地理教育の方向性<BR>「基礎・基本」に関するアンケート調査は、2005年度秋季大会時に行った。2005 年12月現在で223のサンプル数があり、このうち高校教員が38%、大学教員が21%、大学院生が15%である。高校と高等教育関係者の意向が強く反映した結果となっている。なお、その後、中学校社会科教員に対しても同様のアンケートを郵送で行い、集計・分析を進めている。アンケートの内容は、地理教育の「基礎・基本」として重要な項目は何か、各学校段階で重視すべき内容は何か、学習指導要領の示し方および内容と時間のバランス、地理教育の障害になっていること、能力主義カリキュラムについてである。地理教育の「基礎・基本」としては、地名・自然・人文に関する最低限の知識・理解および地理的事象に関する関心や意欲と回答した人が多い。各学校段階で重視すべき内容は、小学校では身近な地域の調べ学習と座標軸になる位置や地名などの知識の定着、中学校では世界と日本の地誌ならびに地図活用など、高等学校では環境問題など主題的学習や人口・産業といった系統的学習、世界地誌および市民性を育成する学習が重要であると考えられているようである。現行の学習指導要領の内容と比較すると、小学校が最も乖離が大きく、高等学校では比較的小さいように思える。学習指導要領に関しては、目標のみを示し内容は現場の裁量を大きくすべきとの意見が多い。これは内容に対して授業時数が不足している現状とも関連があろう。また、能力主義カリキュラムについての認知は比較的高く、学校段階によっては導入を図るべきであるとの意見が多い。地理教育の障害に関しては、入試制度や授業時間不足および教員の研修機会が挙げられている。
Journal
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- Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers
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Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers 2006s (0), 57-57, 2006
The Association of Japanese Geographers
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680668826496
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- NII Article ID
- 130007014443
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
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