Responce of fluvial sediment budget to external condition changes

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Other Title
  • 外部条件の変化に対する河川土砂収支の応答
  • in the simulator of landform development
  • ただし地形発達シミュレータの場合

Description

<Br>研究の目的: 河川システムは山地から土砂礫などの供給を受け、摩耗や分級作用をほどこしながら運搬し、平野や海に堆積させる。ダムでトラップされた土砂礫の量、河床砂礫の粒度組成など断片的なデータは得られているが、河川システムが一定の期間に供給を受ける全土砂礫の量や粒度組成、任意の点における運搬量や粒度組成、堆積させた全土砂礫の量や粒度組成はほとんど観測が困難であり、それらを的確に把握することはいわば地形学の夢である。<BR>  このように現在のプロセスは的確には捉えられないが、河川は扇状地や三角州をつくり、また段丘地形を形成する。地形が進行形として形成されるのを見ることができるため、地形から成因や形成過程を推定することができる。現在は過去の鍵であると言われるが、その意味で地形学は地学の基礎的知見を提供できるはずである。しかしそれは定性的なレベルにとどまっている。なぜなら地形形成のプロセスと形態が定量的に関係づけられているわけではないからである。<BR>  そこで、ここでは地形発達シミュレータを用いて、模擬的に地形学の夢を実現させてみたい。いわば、人工降雨による模型地形の変化に関する実験、のようなものをコンピュータの中で行ってみる。<BR>  この研究は現実河川に関する観測ではなく、地形発達シミュレータの中の仮想地形に関わるものである。だから無意味であると考えるのではなく、河川地形をトータルとして捉えようという方向性を理解してもらいたい。<BR>  近代地形学成立期にGilbert, Davis, Penk らが目指した方向性を見失ったまま、細かい事象の分析や記載を行うだけでは、科学としての地形学は消滅してしまうかもしれない。その意味で、地形発達シミュレータは地形学教育における教材としての意義もあると考えている。<BR> シミュレーションのモニター項目: このシミュレーションでは任意の時間に、標高、勾配、残存する最古の火山灰層の年代(テフロクロノロジー)、軟弱層(非固結層)の厚さ、水系図などの地図を出力できる。また100年間の浸食・堆積深(地形変化の速さ)も地図となって出力できる。<BR>  このシミュレーションでは質量保存則を厳重に守っているので、物質移動によってのみ地形変化が起こるという、地形学の大原則は満たされている。そこで、斜面から河川・海へ領域を越えて移動する砂礫流量、および河川から海に移動する砂礫流量を集計してモニタリングした。これらの量は対象陸地の平均浸食速度そのものである。また拡散係数が基盤岩と堆積物で大幅に変わることから、斜面および河床における基盤岩露出率もモニタリングした。<BR> 結果: 地形発達史の考えにたち、気候・火山灰降下・基準面(地殻運動)を、河川システムの外部独立条件として変化させる。それによって、河川へ供給される土砂量が変化し、運搬されて堆積する場や土砂量が応答し変化する。そして結果として地形(扇状地・三角州)が形成される。<BR>  コンピュータを用いたシミュレータであるので、この変化に伴う量的な変化は完全に把握できる。何よりも実験に要する労力と費用が少なくて済むというメリットがある。<BR>  以上のデータから、外部条件の変化によって、河川システムがどのように応答するか、そして結果として、どのような地形が形成されるか、を示すことができた。また地形変化はアニメーションで観察した。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680669405952
  • NII Article ID
    130007015254
  • DOI
    10.14866/ajg.2008s.0.90.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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