福井県における行事食の現状と地域性

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タイトル別名
  • Actual conditions and regional characteristics of the food for celebration in Fukui

抄録

【目的】最近では生活様式が変容し、食に関わる様々な行事やしきたりなどが伝承されない傾向にある。「食生活指針」や「食育基本法」においては、栄養面だけでなく地域特有の風土で培われた食嗜好(食文化)の重要性が指摘されている。日本調理科学会では、現在の調理文化の地域性を明らかにするために平成21年~23年度の特別研究の一環として行事食の認知状況や摂食状況などを調査した。本報では、福井県と北陸および全国の行事食の現状を比較しながら、本県の行事食の地域性を明らかにすることを目的とした。<BR>【方法】日本調理科学会特別研究の調査結果「調理文化の地域性と調理科学」データベースを使用した。福井県、北陸(福井県、石川県、富山県)、全国(47都道府県全体)における行事食の現状(行事の認知や経験、各行事食の喫食状況)についてクロス集計を行った。<BR>【結果】行事の認知率と経験率は、全国では正月、クリスマス、大晦日が約100%と高く、盂蘭盆会、重陽が低かった。行事食の経験率では、正月の雑煮やかまぼこ、クリスマスのケーキ、大晦日の年越しそばが約90%以上と高かった。北陸地方では全国に比較して、経験率は、上巳、冬至が高く、端午、七夕、月見、秋分の日(彼岸)が低かった。福井県では、節分、月見、上巳、人日、春分の日の認知率が高く、経験率では、節分、土用の丑、冬至が高かった。とくに行事食の実施率は、正月の雑煮、節分の巻きずし、土用の丑のうなぎ蒲焼、冬至のかぼちゃ煮物が高かった。福井県は、各行事の認知率が高い割に行事や行事食の実施率が低い傾向にあるが、スーパーなどで広く宣伝される行事、入手しやすいと推察される行事食の実施率は高いと考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680669726976
  • NII論文ID
    130007015708
  • DOI
    10.11402/ajscs.23.0.121.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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