国際水路機関における日本海呼称
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- 伊藤 友孝
- 海上保安庁海洋情報部
書誌事項
- タイトル別名
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- Naming of Japan Sea in International Hydrographic Organization
説明
1.「日本海呼称」の概要 1)韓国は、1992年以降、「日本海」の名称は日本の植民地政策の結果改称されたため、「日本海」を「東海」に変更または併記を主張 2)我が国は、日本海の名称は、歴史的、国際的に確立した唯一の名称であり、議論の余地はないものとの立場 2.国際水路機関(IHO)の課題 1)IHOでは、海図に記載する海洋の名称のガイドラインとして「大洋と海の境界(S-23)」(1928年初刊)を刊行 2)S-23第3版(1953年刊行)から第4版への改訂作業が始まるが、「日本海」名称に関する韓国の上記主張により停滞 3)最近、IHO加盟国や他の国際機関等から、第4版刊行へ向け圧力が増大 3.S-23の改訂を巡る最近の動き 1) 2007年 第17回国際水路会議(IHO総会)における議長助言 ○合意のある海域のみ先に刊行する案(2分冊案) 2) 2007年 我が国より対案を提出 ○合意のない海域は第3版の名称のまま第4版を刊行し、全ての海域名が合意されているわけではない旨の注釈を付す。 3) 2008年 IHOはバルト海水路委員会からの提案を加盟国に照会 ○ S-23に代わる新たなIHO文書として、地域毎に分けて、「海域名リスト」を刊行する案 4.我が国の対応方針 1)既に歴史的、国際的に確立した「日本海」の呼称には議論の余地がないとの認識に立ち対応。 2)一方、「日本海」呼称問題で、S-23の第4版改訂作業が遅れることのないよう、我が国としても早期刊行に向け、引き続き外務省と連携し対応 国際水路機関 (IHO) (International Hydrographic Organization) 国際水路機関(IHO)は、海図等の水路図誌を改善することで航海の安全と効率に寄与するため1921年設立された国際水路局を前身とした国際機関で、各国の水路機関の協調や水路図誌の最大限の統一をその目的としている。IHOは純粋に技術的な機関である。5年に一度、総会として国際水路会議がモナコで開催される。我が国は戦時中の一時期を除き、設立当初から加盟している。
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2009s (0), 225-225, 2009
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680669760768
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- NII論文ID
- 130007015742
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可