広島県の郷土料理の喫食状況

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Eating habits of traditional cuisine in hiroshima prefecture

抄録

【目的】暮らしの中に生きる料理を通して地域の特色ある郷土料理が生まれ,伝え継がれてきたが,ふるさとの料理を家庭で作る機会が減り,伝統的な地域の料理が伝承されにくい傾向にある。そこで広島県の郷土料理50料理について,喫食経験・頻度,方法,嗜好について実態を把握することを目的とした。<br><br>【方法】平成26年5月,福山大学生命栄養科学科の学生192人及びその家族等を対象に自記式の質問紙調査を行い,398名から回答を得た。年齢は若年層(20歳未満,20歳代,30歳代),中年層(40歳代,50歳代),高年層(60歳代,70歳以上)と3区分した。解析にはエクセル統計2012を使用し,独立性の検定(カイ二乗検定)を用いた。<br><br>【結果】「よく食べる」と「時々食べる」を合わせた割合が20%以上の料理は,広島風お好み焼き78.4%,おはぎ(ぼたもち)73.9%,など9料理あった。「知らない」と答えた割合が80%以上の料理は,べろずし,うちごだんごなど10料理あった。50料理中45料理について,年代が高い人の喫食経験が有意に高かった。若い人の喫食経験が低いこと,家族構成により喫食経験の差があることなど,郷土料理が伝承されなくなっている状況が明らかになった。がせつ(がじつあえ),うずみ,煮菜(にじゃあ),などは,その他(調理実習,学校給食他)で食べた割合が高く,郷土料理を伝承する取り組みが学校や地域で実施されていることがうかがえた。広島県でも安芸と備後では風習や文化の違いが大きい。安芸,備後を比較すると15料理について地域差がみられた。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670045312
  • NII論文ID
    130005489641
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_183
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ