給食施設における大量炊飯による米飯の品質管理
書誌事項
- タイトル別名
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- Quality control of cooked rice by mass production in specific food service facility
説明
【目的】特定給食施設とは1回100食以上または1日250食以上の給食を提供する施設とされている。提供される給食には安全性,嗜好性,栄養的な質,経済性等が求められる。給食提供には生産工程を標準化することが必要であり,給食施設では厨房機器の種類と能力,作業者の人数と技術,生産や提供のシステム,食品の質と量,原価構成等を把握し,給食の利用者にとって高品質の給食提供に努めている。本研究では,本学の給食施設を利用し,炊飯の生産(調理)工程における標準化について検討し,米飯の品質管理上のポイントを把握することを目的とした。<br>【方法】千葉県産水稲うるち米コシヒカリを一釜あたり2.3kg~5.6kg(30食~70食)炊飯する生産工程において,洗米による吸水量,加熱による蒸発量,加熱中の温度履歴を測定した。また,生産から提供を通してのロス量も検討した。なお,洗米は水圧洗米器FRW-22W,炊飯にはガス自動炊飯器FRC21F-T,炊飯中の温度計測ではコンパクトサーモロガーAM8000(安立計器)を用いた。釜内の上層部,下層部,中心部,辺縁部に位置する飯の品質評価として,卓上型物性測定器TPU(山電製)を用いてかたさ荷重,付着性を測定した。<br>【結果】洗米後の吸水は米の9~18%を示し,吸水率は米重量が多くなるに従い値のばらつきが示された。加熱による蒸発量は,米の重量にかかわらず約500gを示した。炊飯によるロス量は,加熱中の蒸発量,釜から食器に盛るまでの米飯からの蒸発量,釜や什器に貼りつく米飯の重量であった。米飯の硬さ荷重は,釜の上層部より下層部,釜の辺縁部より中心部の方が低値となり,逆に付着性では下層部,中心部が高い値を示し,釜内の部位による差が明らかになった。炊飯後に釜内の米飯を均一にするための作業に工夫が必要となることが示唆された。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 27 (0), 26-, 2015
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680670293632
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- NII論文ID
- 130005489642
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可