白神あわび茸の加工利用に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the processing of "shiragami-awabitake"

説明

<br><br>【目的】白神あわび茸は、近年中国から輸入されたアワビタケ(学名:P.eryngii var.touliensis CJ.Mou)とエリンギを交配させて作られた新品種のキノコである。鮑に似た食感を有し、日本国内の消費量が増える傾向にある白神あわび茸を、種々の条件で加熱し、風味に及ぼす影響を検討し、用途拡大に資する基本的知見を得る事を目的に研究を行った。<br><br>【方法】試料として秋田県三種町産の白神アワビ茸を用い、一般成分を測定した後、白神アワビ茸の傘の部分を厚さ3mm~15mmに包丁で切断し、「茹で」、「蒸し」、「焼き」の3通りの方法で、5~10分間加熱した。加熱後、試料の硬さを測定し、官能評価は、20代の女子学生12名をパネルとして行った。<br><br>【結果】100g当たりの一般成分値を、日本食品標準成分表2010収載のエリンギ(生)やくろあわびたけ(生)と比較すると、水分とたんぱく質のいずれも白神アワビ茸の方が多く、これに対して白神アワビ茸の脂質は、エリンギ(生)や、くろあわびたけ(生)の1/3~1/4の値であった。このような成分値の違いが、白神アワビ茸特有の風味や食感に影響しているものと考えられた。加熱に伴い硬さが最も急激に上昇したのは、厚さ9mmの試料を5分間茹でた場合で、約3倍硬くなった。重量減少率が最も高かったのは15分間加熱の場合だったことから、白神アワビ茸の硬さの上昇は、適度な水分存在下で弾力性が向上するために起こると考えられた。厚さ15mmの試料を5分間焼いた場合と10分間焼いた場合の官能評価を比較すると、10分間焼いた方が好ましい結果となった。特に歯ごたえは著しく向上した。ところが、15分間焼くと全ての項目において評価が低くなった。以上のことから、白神アワビ茸を加熱調理する場合の一例として、焼く場合には、厚さを15mmにし、10分間加熱するのが適当と考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670300672
  • NII論文ID
    130005489732
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_30
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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