スロージュース残渣を用いたグルテンフリー米粉パンの開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of gluten-free rice flour bread by using cold press juice residue

説明

目的 スロージューサーで製造したジュースは、摩擦や熱で失われやすい酵素やビタミンなどが残っている。また、固形物が取り除かれているため胃の負担が少ないなどの理由から人気が高まっている。近年では、家庭で製造することも多いが、製造時に残渣などの廃棄部分が多く出るという問題もある。しかし、残渣には様々な機能性成分が含まれているため、食品としての利用価値が高いと考えられる。本研究では、ジュース製造残渣を増粘安定剤として利用したグルテンフリー米粉パンの開発を目的とした。<br />方法 まず、未乾燥のジュース残渣はパン生地の水分量に影響するため、乾燥方法を検討した。次に、グルテンフリー米粉パン製造に適した発酵時間・発酵温度の検討を行い、グルテンフリー米粉パンの製造方法を確立した。その後、ネーブルオレンジから得られたジュース残渣を乾燥して得られた粉末をグルテンフリー米粉パン製造の際に添加した。ジュース残渣を添加したパンを調製し、物性値(生地の膨化度、生地の粘度、焼成パンの比容積、焼成パン切断面の観察、テクスチャー解析)の測定、および官能評価を行い、ジュース残渣の最適添加量を検討した。<br />結果 ジュース残渣の乾燥は電子レンジを用い、乾燥後、ミルで粉砕しふるいにかけることを繰り返すことで、ジュース残渣粉末を調製することができた。ジュース残渣粉末を添加した米粉パンは未添加の米粉パンと比べ、生地の膨化度、生地の粘度、焼成パンの比容積の測定において高い値を示し、官能評価において高い評価を得た。これらの結果から、ジュース残渣は、グルテンフリー米粉パンの製パン性を高めることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670341376
  • NII論文ID
    130006032197
  • DOI
    10.11402/ajscs.29.0_144
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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